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知的障害の画家 サロン開設 陸前高田

誕生日のケーキを手にサロンのオープンを祝う田崎さん(左から2人目)

 知的障害がある陸前高田市の画家田崎飛鳥(あすか)さん(36)が7日、自宅にサロンを開設した。東日本大震災と向き合い、祈りと希望を描き続ける田崎さんの作品に共感の輪が広がっている。
 「飛鳥サロン」は絵を鑑賞しながら軽食を楽しんでもらおうと、田崎さんのアトリエと母美代子さん(65)が営むパン工房をひさしでつないだ。田崎さんの誕生日と重なったオープンには約30人が訪れた。
 田崎さんの自宅は震災の津波で全壊。ショックでキャンバスの前に立てない日々もあったが、自分にできることを考えて再び絵筆を握り、独創的な色使いで古里を描き始めた。
 感性豊かで優しさあふれる画風のファンは多い。震災で両親を亡くした陸前高田市の阿部裕美さん(49)もその一人だ。両親が最期にいたはずの市民体育館が解体され、気持ちのよりどころを失っていたとき、田崎さんの絵と出会った。
 体育館の前にヒガンバナが咲き誇る絵に心を打たれ、涙が止まらなくなったという。阿部さんは「飛鳥君の心が穏やかになってきたのか、絵の色彩がどんどん明るくなった。同じ歩調で私も少しずつ癒やされていった」と語る。
 兵庫県西宮市の藤田敏則さん(68)も陸前高田市で暮らしていた長女を震災で亡くした。「まちの記憶を忘れないよう、絵が呼び覚ましてくれる」と話す。
 サロン開設のため全国から届いた寄付に田崎さんの父実さん(70)は「夢が実現した」と感謝し「地域の人々や障害のある人たちが気軽に集える場所になってほしい」と願う。


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2017年07月08日土曜日


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