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<ふたば未来学園高>NPO常駐し学習支援

フリースペースでボランティアの学生とトランプで遊ぶ生徒ら

 東京電力福島第1原発事故などからの復興を担う人材の育成を目指すふたば未来学園高(福島県広野町)で本年度、認定NPO法人カタリバ(東京)と連携した「ふたばコラボ・スクール」が始まった。NPO職員やインターン学生が常駐し、放課後の居場所づくりや授業を支援。原発事故で長期の避難生活を強いられた生徒らが気軽に相談、学習できる環境を整え、主体的に学ぶ力を育む。

 放課後、フリースペースと銘打った技術室に生徒が集まる。生徒は職員らとトランプに興じたり、勉強を教えてもらったりと思い思いに時間を過ごす。
 活動は午後8時まで。1日平均約40人の生徒が訪れる。週2回は学生らが講師役を務めるなどして、生徒たちに体験談や勉強の仕方を伝えている。
 福島県浪江町からいわき市に避難した2年上野里香子さん(17)は「大学で学びたい心理学の専門的な話を聞ける。友人関係など先生にはできない相談もできる」と言う。
 親や教員に対するようなタテでも友人同士のヨコでもないつながりを、カタリバは「ナナメ」の関係と呼ぶ。拠点長の長谷川勇紀さん(33)は「少し先を行く先輩だからこそ引き出せ、伝えられる話がある」と説明する。
 常駐するのは職員や学生・大学院生計7人。放課後だけでなく、原子力防災といった地域課題解決型の授業も支援する。全国で取り組むノウハウを生かし、授業の企画を手伝ったり、助言役を務めたりする。
 カタリバは常駐前の昨秋から、福島大生のボランティアが続けてきた定期テスト前の放課後を利用した学習支援の運営を担当。学生が反省点を振り返る場をつくるなどしてきた。その結果、生徒の学習意欲が高まり、校内の評価を得た。
 カタリバは東日本大震災後、宮城県女川町や岩手県大槌町で放課後学校を展開してきた。今回の連携は、こうした活動に注目したふたば未来学園高が持ち掛けた。運営には国の交付金事業と寄付金を活用する。
 同校は避難中に不登校やいじめを経験したり、高い志を持つなど生徒も課題も幅広い。丹野純一校長は「伴走してもらい、学びに向かわせる場をつくりたい」と強調。カタリバの長谷川さんは「生徒が目標実現へ力を発揮できるよう、学校と支援したい」と話す。

[ふたば未来学園高]2015年4月、福島県広野町の広野中校舎を借りて開校。原発事故の影響で今年3月に休校した郡内の県立高5校に代わる形で設けられた。双葉郡の中学生を優先的に受け入れる連携型の中高一貫校で、町内に整備中の新校舎が完成する19年度に中学を設ける。生徒422人のうち約6割が同郡出身。


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2017年07月08日土曜日


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