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<南海トラフ>南三陸の元消防団員、備え訴え

佐川中の生徒らを前に、備えの大切さを訴える阿部さん(手前左)=高知県佐川町

 東日本大震災の教訓を南海トラフ巨大地震への備えにつなげてもらおうと、宮城県南三陸町の農業阿部博之さん(59)が8日、高知県佐川町で講演した。内陸の南三陸町入谷の消防団副分団長だった阿部さんは震災発生の翌朝、甚大な津波被害を受けた同町志津川に徒歩で入り、生存者を救出した。体験を踏まえ、沿岸部の津波対策のみならず、支援拠点となる内陸集落の備えの大切さを訴えた。
 佐川町は海に面してはいないが、南に約10キロ離れた須崎市は大きな津波被害が想定されている。会場の佐川中の生徒や地元住民ら約300人が聴講し、大津波に襲われたときに担うべき役割を確認した。
 阿部さんは「被災地は自らは何もできなくなる。近隣の地域が自らの判断で支援する必要がある」と強調。「まずは自分の命を守ることが大切。数日しのげる備えをし、避難者の受け入れや炊き出しの訓練もしてほしい」と呼び掛けた。
 講演は高知新聞社(高知市)が展開する防災啓発事業「いのぐ塾」の一環。阿部さんは、地元住民ら10人が地域の防災課題を話し合うワークショップにも参加し、「防災は隣近所のつながりが原点」と助言した。
 いのぐは現地の方言で「生き延びる」の意味。高知新聞社は2016年2月、河北新報社と共催で防災・減災ワークショップ「むすび塾」を高知市で開いたのを機に、全社事業として「いのぐ」と題するキャンペーンを始めた。河北新報社は語り部派遣などを通して全面的に協力している。


2017年07月09日日曜日


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