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<談合情報不問>低入札防止制度悪用か

「調査基準価格」制度の悪用が疑われている入札の結果。失格基準に触れ、順位1番の業者は最低価格を入れても落札できなかった

 宮城県北部土木事務所発注の大崎地方の測量業務の指名競争入札で、参加業者が実名で談合情報を申告した入札4件について県が不問とした問題に絡み、低価格入札防止のために県が設ける「調査基準価格」が、談合グループの組織防衛に利用されている可能性が指摘されている。ダンピングを防ぐために導入されている仕組みが、談合に加わらない業者を排除することに使われているという。
 業界関係者が指摘するのは、予定価格の7割強程度に設定されることが多い調査基準価格に関する制度で、調査基準価格を下回った業者に適用される「数的判断基準」。このうち入札金額の失格基準では、最低額と最高額の2社を除いた応札業者の入札平均額の90%を下回れば、ダンピングの可能性があるとして失格し、落札者になれない。
 悪用が疑われる入札が、県が不問とした昨年12月の4件の中にもあった。その一つの入札結果=写真=を見ると、調査基準価格より1000円低い札を入れた順位1番の業者が失格基準に触れ、調査基準価格と同額の421万2000円を入れた2番の業者が落札した。
 注目は3番以降。2番から100万円以上高く、予定価格の551万円に近い額も同額で数社が並ぶ。結果的に失格基準は470万円余りで、最低額を入れた1番の業者の入札額は50万円近く下回り、失格した。
 業界に詳しい関係者が解説する。「全体で高い額を入れると入札平均額が上がる。この入札の場合、本命1社が調査基準価格を押さえてしまうと、調査基準価格以下で落札を狙う業者が出ても、失格基準に引っ掛かり落札できない」
 サッカーのオフサイドトラップのように基準ラインを引き上げる連携プレーで、「5、6社が組めば落札は難しい」と関係者。13社によるこの入札には、河北新報社が入手した大崎地方の測量関連入札の談合用に使われたとされるメモに記載があった業者8社が参加していた。
 談合を申告した業者も最終的に翻意したため、全業者が談合を否定した形になった。だが別の関係者は「調査基準価格の落札だから談合は考えられないとするのはおかしい。県はこうした点も調査すべきだった」と指摘する。
 県は「全業者が談合の事実を認めなかった」と不問にし、談合絡みの悪用について調査に至っていない。


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2017年07月09日日曜日


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