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<仙台市長選>10代有権者の関心低下懸念

演説する候補者の近くを通り過ぎる若者たち=9日午後1時ごろ、仙台市青葉区(写真と本文は関係ありません)

 「18歳選挙権」導入後、初めての仙台市長選が9日告示された。全国初の適用だった昨夏の参院選では大きな関心を呼んだが、新鮮味が薄れた今回、市選管は10代有権者の関心や投票率の低下を懸念する。

 候補者4人が市内各所で舌戦を繰り広げた9日昼。青葉区の勾当台公園市民広場であった音楽イベントに訪れた若林区の大学1年の男性(19)に投票に行くかどうか尋ねると「テストがあって忙しい」と即答。「社会人ならまだしも、仙台がどうあってほしいという考えは学生にない。選挙情報は入ってこないし、選挙の実感もない」と続けた。
 昨夏の参院選宮城選挙区で、仙台市は20、30代の推計投票率が30%台と低迷する中、18歳は51.84%、19歳も40.98%と高かった。だが、市選管は「初めての選挙は記念で行く人が多いが、2回目(市長選)は投票率が落ちる」とみる。
 参院選以降、市選管は7高校で投票啓発の出前授業を実施。市長選期間中は、市内の全高校に校内放送で投票を呼び掛けるよう要請するなどPRに躍起だ。
 仙台城南高(太白区)で6月末にあった出前授業。市選管の担当者は「あなたなりの基準で、自信を持って投票する人を選んで」と3年生約330人に訴えたが、市長選が「有権者デビュー」となる生徒の反応はさまざまだった。
 冨田小春さん(18)は「ぜんそく持ちなので、歩きたばこ禁止の徹底を約束してくれる人に投票したい」と明言。一方、菊池和磨さん(18)は「軽い気持ちで投票していいのか」とためらいを見せた。
 学校現場も10代の投票率向上に苦心する。仙台二高(青葉区)は主権者教育の一環で昨年から、仙台一高(若林区)との野球定期戦などの行事運営を生徒に全面的に任せるようにした。佐藤弘人教頭は「正解が一つでない課題に取り組むうち、主体的に選択できるようになるのではないか」と期待する。
 ただ、現場には戸惑いの声もある。市内のある高校教諭は「公選法の禁止事項を伝える指導程度が実情。公約比較などはレベルが高く、踏み込むのは難しい」と打ち明ける。
 吉田剛宮城教育大教授(学校教育学)は「政治的な思考力や判断力を深めるため、学校や社会がフォローする必要がある。若者も市民活動やボランティアを通じて、社会に直接触れる経験が大切だ」と指摘する。


2017年07月10日月曜日


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