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<マイナビ杯>日本選手の諦めぬ姿勢 評価

ビジャレアルの女子部門の育成強化責任者として指導方針や被災地への思いを語る佐伯さん=石巻市内

 サッカーのスペイン1部リーグの強豪、ビジャレアルのU−15(15歳以下)女子チームが8、9日に宮城県石巻市であった「2017マイナビインターナショナルカップ」に出場し初優勝を飾った。マイナビベガルタ仙台レディースのジュニアユースや東北など各地のU−15女子チームと交流を深め、東日本大震災の被災地も訪れた。クラブの女子部門の育成強化責任者でチームを率いた佐伯夕利子さん(43)に大会の感想や被災地への思いを語ってもらった。(聞き手は原口靖志)

◎初代女王・ビジャレアルU−15 女子部門育成強化責任者・佐伯夕利子さんに聞く

 −2日間で4試合のハードな日程を通し、スペインの選手たちに期待したことは何か。
 「日本人選手は、暑さの中でも最後までピッチを走り回っていた。諦めるタイミングが早いスペインの選手たちが、彼女たちのサッカーに取り組む姿勢を体感してくれたと思う」

 −スペインの指導者の目から見た日本人選手の良さと課題を聞かせてほしい。
 「ボールの扱いなど技術面でうまい選手は多い。一方で、指導者に教えられたことは形にできるが、どこまで自分で理解してプレーしているのか疑問が残った。私たちのクラブでは指導者の『教え過ぎ』が反省点として挙げられ、3年前から選手に一つ一つのプレーの意図を聞いて自分で考えさせる取り組みを行っている」

 −育成強化責任者の仕事とは。
 「年代別の5チームでプレーする90人近い女子選手や保護者のケア、コーチ陣にクラブのメソッド(指導法)を浸透させるのが主な仕事。目先の勝敗ではなく、10年後に自分で考え、判断できる選手を育てることを結果として求めている」

 −なぜサッカーの強豪国で指導者になれたのか。
 「ビッグクラブで仕事を得たのは、真面目に打ち込む姿を見てもらえたからではないか。練習に誰よりも早く来て最後に帰るなど、真剣に取り組む姿勢を選手に見せることで自分のメッセージを届けやすい環境づくりを心掛けた。選手一人一人に向き合い、私に何を求めているのかを察知するようにもした」

 −若い選手を率いて被災地に遠征した意義は何か。
 「個人的に被災学生の奨学金基金に参加する支援をしてきたが、選手が被災地の現状を知ることで心に響き、震災の記憶をつなぐはずだ。仙台とクラブ同士のつながりもできたので、スポーツを通じてイベントや交流を続けていきたい」

[さえき・ゆりこ]1973年イラン・テヘラン生まれ。福岡県出身。父親の転勤先のスペインで指導者を志し、2003年に同国の男子3部チームの監督に就任。その後、1部Aマドリードのスタッフなどを経て08年にビジャレアル入り。女子チーム監督などを務め、16年から現職。


2017年07月12日水曜日


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