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<最低価格落札>県、市の入札に関連性

一部業者が談合用に使ったとみられるメモの一部。談合による落札結果を記したとされ、市発注(上)と県発注(下)の業務が併記されている

◎参加業者が重複、落札率も相似/談合、価格漏えいの疑い「徹底調査を」

 大崎市の測量関連業務の指名競争入札で応札下限の「最低制限価格」での落札が頻発している問題は、市発注の指名競争入札と、宮城県発注の入札との関連性が見えてきた。参加業者の多くが重なり、高い落札率が一転して低くなった形が似る。どちらも一見競争性が高まったように映るが「形を変えた談合が続いている」との指摘もある。契機は業者間のトラブルとみられる。何が起きていたのか、転換点の前後を入札結果などから探った。

 「研究会のメンバー間の事件を知っていますか」
 今月4日、入札問題を審議する市議会総務常任委員会。市議が指摘したのは市と定期的に意見交換会を開いていた市内の測量設計業者による研究会メンバー間の傷害容疑事件だった。
 事件は、県に出された業者からの談合申告の情報にも記述があったとされ、市や県発注の入札で低価格入札が頻発するきっかけになった可能性がある。
 県と市の測量関連の入札を巡る経過は表の通り。事件発生2日前の2016年12月15日の県北部土木事務所の入札は、一部で応札額がそろうなど典型的な談合が疑われるケース(落札率94.6%)だったが、事件後の同22日の入札はいずれも落札額が調査基準価格と同額(3件の平均落札率は77.1%)と、落札率が低下した。
 この調査基準価格と同額で落札されたケースについては、談合しない業者を排除するような調査基準価格の失格制度を悪用したとの指摘がある。大崎市での最低制限価格での落札が頻発する一つの伏線とも言える入札だった。

≪メモ通りの業者≫

 市の落札率低下の動きは少しずれた。事件前の同14日の入札は、河北新報社が入手した談合用に使われたとされるメモに記載があった入札で、メモ通りの業者が92.3%で落札した。
 大きな転換点と推察されるのは翌17年の1月11日。この日は(1)県発注の談合疑惑で業者への事情聴取(2)市の16年度最後の入札(3)傷害容疑事件の加害者メンバー逮捕−の三つが重なった。特に16年度最後の入札は、それまで90%を割ることがほとんどなかった落札率が初めて70%台になり、談合破りとみられる内容だった。

≪排除の構図同じ≫

 17年度の市の入札は冒頭から最低制限価格での落札が相次ぐ。業界に詳しい関係者は「県の調査基準価格での落札も市の最低制限価格での落札も、談合グループ以外に落札させないという、特定業者排除の構図は同じではないか」とみる。
 県、市ともに調査基準価格や最低制限価格での落札について「積算ソフトによる積算精度の向上」を理由に挙げる。ただ、特に市の入札では本年度の最多落札業者が一度も失格になっていないなど、業者の談合や価格漏えいが疑われる内容になっている。
 一連の入札に関わる価格漏えいを伴う官製談合の疑いについて、7日の定例記者会見で伊藤康志市長は「報道以外に談合情報などが市に寄せられてはおらず、適正に執行されていると思っている」と話し、事情聴取は業者に対してのみ実施する考えを示している。
 入札問題に詳しい五十嵐敬喜法政大名誉教授(公共事業論)は「県と市の入札結果は連動しているように見え、双方とも徹底した調査が必要だ。県、市ともに価格漏えいが疑われており、内部調査の実施はもちろん、調査結果について県民、市民への情報開示が求められる」と強調する。

大崎地方の測量入札関連の経過

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2017年07月13日木曜日


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