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<仙台市長選>4氏の公約分析 長所は?課題は?

「情報が限られた選挙公報は、候補者のキャラクターが出やすい」と語る河村准教授

 仙台市長選(23日投開票)に立候補した元衆院議員林宙紀(39)、元衆院議員郡和子(60)、会社社長菅原裕典(57)、元衆院議員大久保三代(40)の4氏が掲げる公約を、東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)に選挙公報や政策ちらしに基づき点検してもらった。

◎東北大大学院情報科学研究科 河村和徳准教授

■林候補

 若い候補者らしく、長期的な政策を掲げている点は評価できる。政策の独自性は全候補者の中で一番だ。ただ、「人口150万人への挑戦」を掲げるが、誰をどこから集めるのか。具体的なプロセスの提示が課題だろう。

■郡候補

 元国会議員で知名度があるためか、選挙公報では人物像を前面に打ち出している。福祉を重視し、女性や若者、子育て世代に軸足を置いた政策で、実現可能性は高そうだ。一方で、高齢化対策は見えにくい感じがする。

■菅原候補

 高齢化対策や防災、産業、市内経済、教育など包括的に政策をそろえている。候補者4人の中で、判断材料となる情報を最も提供していると言える。ただ、政策の優先順位が分からず、没個性となっている。

■大久保候補

 行政改革に重点を置いている。市有施設や学校の統廃合、市バス路線の民間移譲など、議会と対峙(たいじ)するであろう公約を掲げている。「チルドレン・ファースト」をうたうが、子どもに関する具体策が出て来ない。

<総評>

 2015年の仙台市議選に立候補した66人の選挙公報を分析したところ、「教育・子育て」「防災・安全安心」「高齢化対策」「市内経済」が公約の上位4項目だった。選挙公報は地域課題を映す鏡。市長選候補者がこの4項目に言及しているかどうかが、議会との関係や政策の実現可能性を考えるポイントになる。
 今回は、4候補の公約に数値目標がなく、マニフェスト(公約集)ブームは去ったと言える。仙台市は東日本大震災からの復興途上で急な出費もあり得る中、数値で縛るのは妥当かという問題などがある。
 一方で、4候補は公約で震災復興にほとんど触れていない。仙台は復興を卒業し、平時に戻ったという「宣言」にも見える。被災者は、自分たちは捨てられたと思うかもしれない。被災経験のある人々が誰に投票するかもポイントだろう。


2017年07月14日金曜日


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