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<白神山地>日本山岳会「ブナの森」守り続ける

ブナの木の高さを測定するメンバー。30〜50センチほどのものから3メートル以上のものもあった

 青森、秋田両県にまたがる世界遺産・白神山地は来年、登録から25年となる。日本山岳会青森支部(中村勉支部長)は貴重なブナ林を再生させ、守り続けようと、若い世代の有志を募りながら20年近く前から保全活動を展開している。

 「ブナの森は戻りつつある。ただ、会員の高齢化が進んでおり、後継者の育成が課題だ」
 当初から活動に携わる同支部の須々田秀美副部長(64)は保全活動の手応えと現状を語る。
 6月の作業では植樹したブナの高さを測定。3〜5メートルに成長した木があるなど活動成果が表れている。
 世界遺産地域の周辺は1980年代ごろまで、ブナを含む広葉樹の伐採が進んでいた。伐採された場所の多くはスギの植林地となった。スギの下は光が届かず、キノコや下草が育たないなどの影響が出ていた。
 多様な生態系を育むブナ林を復元しようと、支部メンバーらは19年前、世界遺産地域に近い櫛石山登山口周辺を作業場所に選び、スギの除伐を開始した。
 残土置き場として利用されブナの自生苗が少なかった所に、数年かけて100本以上の苗を植樹。毎年2回、市民らと周辺の草刈りなどの手入れを続ける。
 かつては地元の高校生や県外の山岳会メンバーも参加したが年々減少。最近は10人程度にとどまる。須々田さんは「携帯電話の電波も通じない、日常生活から離れた場所。中高生に自然を学んでもらう場になってほしい」と願う。
 次回の再生事業の作業は9月23、24日。連絡先は須々田さん0172(44)7237。

[白神山地ブナ林再生事業の歩み]日本山岳会青森支部の故松島静吾支部長が1998年、森林管理局に「世界遺産地域に近い場所で再生事業を行いたい」と働き掛け、99年6月の現地調査後、スギの伐採やブナの移植を始めた。2005年には日本山岳会創立100周年記念事業として行われ、過去最多の約75人が参加。約30本の苗を植えた。事業は毎年6月と9月に各2日間の日程で実施。草刈りなどの作業に加え、世界遺産核心地域にあり、天然記念物クマゲラが確認された「クマゲラの森」の観察会がある。


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2017年07月15日土曜日


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