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<東電福島>大倉代表「地域と対話地道に継続」

[おおくら・まこと]慶大卒。1982年東京電力入社。福島本部復興調整室長などを経て、2017年6月23日付で福島復興本社代表。東京都出身。58歳。

 東京電力福島復興本社の代表に就任した大倉誠氏は河北新報社のインタビューに応じた。福島第1原発事故の被災地復興に向け、住民との対話や地域行事への参加といった「地道な取り組みを懸命に続ける」と強調した。(聞き手は福島総局・阿部真紀)

◎福島復興本社・大倉誠新代表に聞く

 −原発事故から7年目に入った。
 「広野町や川内村で花を植える活動や祭りに参加させていただいた。私たちが起こした事故のせいで困っている住民の皆さんが『ありがとう』とねぎらってくれた。心の温かい人たちのコミュニティーを壊してしまったことを痛感し、改めて申し訳なく感じている」

 −代表としてどんな姿勢で復興に取り組むか。
 「帰還した人、帰還をためらっている人たちを考えると当然だが、第1原発の廃炉を安全に進めることが大事だ。同時に家の片付けや草刈り、地域行事の手伝いなどを通じて暮らしの不便さを少しでも解消し、帰還促進につなげたい」
 「東電社内で原発事故の風化はあってはならないこと。ほぼ全社員が泊まりがけで福島に入り、復興推進活動に携わってきた。福島の現状を東電グループ全体にきちんと伝え続けたい」

 −福島特別顧問に就いた前代表の石崎芳行氏との役割分担は。
 「代表としての仕事は全て引き継いだ。石崎は時間ができた分だけ今まで以上に地域に出向いている。これまで1人でやっていたことを2人でやる分、活動の幅が広がる。分担ではなく連携だ」

 −原子力規制委員会の田中俊一委員長が第1原発の廃炉に関し「東電の主体性が見えない」と厳しく指摘している。
 「大変重く受け止めている。主体性がないと言われるのであれば、そこはしっかり正し、応えなくてはいけない」

 −福島第2原発の廃炉や第1原発の汚染水浄化後に残る放射性物質「トリチウム」を含む水の処理も見通しが立っていない。
 「いまだ答えを出せず、申し訳ない。第2原発の廃炉は県や県議会から繰り返し要請を受けている。就任後に避難自治体を回った時も直接話をされた。皆さんの声を踏まえ、会社として検討している段階だ」
 「トリチウム水については、国などの関係機関や社内で検討の上、地元の人たちに相談、説明しながら進めたい」

 −原発の是非は。
 「福島の皆さんの前で言うのは申し訳ないが、私個人としては必要だと思う。国を挙げて再生エネルギーを推進しているが、太陽光や風力には不安定さがある。豊かな暮らしや経済活動に欠かせない電気を生み出す手法として必要という考えだ」


2017年07月15日土曜日


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