山形のニュース

<ほっとタイム>絆がつないだそば粉

父信一さんのそば粉を受け継ぐ真由美さん

◎娘が起業 父の技受け継ぐ

 20年続けた歯科衛生士の仕事を辞め、山形県米沢市でのれんを掲げて2年になる。
 我彦(わびこ)真由美さん(42)は今月、店名「心那(こな)や」に「十割蕎麦(そば)」の字を加えた。父斎藤信一さん(71)のそば粉を、この先ずっと受け継ぐと決めたからだ。
 銀行マンだった信一さんは10年前、退職と同時にそば粉作りの道を志した。味にほれ込み、教えを請うた職人は技を伝えることなく他界。試行錯誤の末、独自に十割そばの製法を完成させ、製粉所を開いた。商売は軌道に乗ったが、自分の技術を継ぐ人がいないのは内心、寂しかった。
 現役時代は仕事と趣味に没頭し、しつけに厳しかった。真由美さんは疎ましいと感じることも多かった。
 でも、言葉少なに精進する父の背中を見るにつれ、古びた心の壁は崩れていった。「今は元気でもきっとそのうち…」。悩んだ末に起業し、父から1年間、技術を学んだ。「踏み出したことで親子だなと実感する」と真由美さん。もろく見えても決して途切れない、そんな絆がそば粉をつなぐ。(米沢支局・相原研也)


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2017年07月17日月曜日


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