岩手のニュース

<陸前高田市立図書館>心の復旧へ決意固く

開館した陸前高田市立図書館で「一人でも多くの人に足を運んでほしい」と語る磐井さん

 岩手県陸前高田市の読書ボランティアグループ「ささ舟」が、同市立図書館で「おはなし会」の9月再開を目指している。メンバーの磐井律子さん(73)は「少しでもお話の世界でほっとしてほしい」と、心の復旧に伴走する決意を語った。

 旧図書館の職員7人は全員が津波の犠牲になった。図書館で打ち合わせ中に震災の地震に遭った磐井さんは、いったん自宅に戻り、津波に追われながらも助かった。
 市内の小学校から、児童たちが日常を取り戻すために読み聞かせの再開を依頼されたのは、震災発生から間もないころだった。「それどころではない」と思う半面、「子どもたちは大人以上に苦しんでいる」と痛感した。
 被災を免れた学校や家庭から絵本を集めて活動を再開し、被災地支援に駆け付けた司書らの指導を受けた。グループのメンバーも3人から現在は16人に増え、活動の場が広がった。
 プロジェクターやマイクを使い、手遊びを取り入れ、子どもからお年寄りまで幅広い年代に対応した読み聞かせに取り組む。物語の世界に感情移入するひととき、磐井さん自身も慰められているのだと気付いた。
 20日に新図書館を訪れ、「図書館に寄せる市民の期待は大きい」と語った磐井さん。震災の惨状は今も頭から離れないが「これからが大事。図書館が市民のよりどころとなるよう、職員と共に頑張りたい」と前を向く。


関連ページ: 岩手 社会

2017年07月21日金曜日


先頭に戻る