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<河北新報120周年>東北の針路 語り合う

記念フォーラムで災後の東北の針路を語り合う鷲田氏(中央)と糸井氏(右)=21日、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台

 河北新報創刊120周年記念フォーラム(河北新報社主催)が21日、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台であった。東日本大震災の被災地を舞台に、災後の思想や実践を積極的に発信する2人が、東北が歩んだ道程をたどりつつ新時代への針路を語った。

 第1部は、せんだいメディアテーク館長で哲学者の鷲田清一氏(67)が「∧中景(ちゅうけい)∨を厚くする〜地方(じかた)の思想」と題し記念講演した。
 鷲田氏は「現代社会は家庭や職場などの近景、国家などの遠景は感じられても、地域社会などの中景が見えなくなっている。命の世話を国家や専門家に委託してしまい、市民として無能力になった」と指摘した。
 「物価や株価、食材の流通、エネルギー源を制御可能に戻し、中景を厚くすることが震災後の課題。現在から未来を見据えるのではなく、未来から今やるべきことを考えるまなざしの転換が必要だ」と強調した。
 第2部は鷲田氏と、インターネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰する糸井重里氏(68)のトークショーで、「東北のいま、未来〜災後の針路を語る」をテーマに語り合った。
 糸井氏は「漁業で栄えた町だから(何をするにも)魚を使うとか、『東北ならでは』という呪縛にとらわれ、不自由になっている」と問題提起。「どこでやってもいいことを東北で発案してほしい。特殊性は付け足しでいい」と話した。
 鷲田氏は「東北はずっと中央へ若い人材を送り出してきた。これから何十年かは逆に若者を徹底的に迎え入れてほしい」と期待を寄せ、「東北一円の大学は授業料を無料にし、学食も格安にすれば全国から人が集まるだろう」と提案した。
 フォーラムは招待者を含め約500人が聴講した。


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2017年07月22日土曜日


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