秋田のニュース

<J3秋田>J2昇格の壁はスタジアム

秋田の本拠地、あきぎんスタジアム。収容人数は4992で、J2ライセンスの基準を満たしていない

 サッカーJ3秋田のスタジアム整備に向けた秋田県や秋田市などによる検討会が、8月上旬に発足する。年度内に方向性を決める方針だ。整備することになった場合、県は新設が望ましいとの考えだが、完成まで最短でも5年はかかる見通し。クラブ側は早期にJ2昇格に必要なライセンスを取得するため、新スタジアムが完成するまでの間、暫定的に既存施設を改修して使う案を抱く。いずれにしても、巨額の整備費をどう捻出するかをはじめ課題は山積している。(秋田総局・藤井かをり)

<民間の協力必要>
 「秋田にサッカースタジアムがあってもいい」。佐竹敬久知事は3日の県議会第1回定例会(6月議会)の総括審査でスタジアムのことを問われ、改めて整備に前向きな姿勢を示した。
 Jリーグが定めるJ2昇格に必要なスタジアムの収容人数は1万。整備を巡っては、本拠地のあきぎんスタジアム(秋田市、収容人数4992)を含め既存施設の改修案もあった。
 しかし、同スタジアムは建ぺい率の問題から大幅な増設は難しい。隣接する市八橋運動公園陸上競技場(収容人数2万125)は陸上競技団体が反対する。県もそうした声を受けて「他のスポーツをつぶすわけにはいかない」(佐竹知事)と改修案には消極的だ。
 新設の場合、立ちはだかるのが「100億〜150億円」(県スポーツ振興課の担当者)とされる整備費。佐竹知事は県議会で「(財源を)県が全部持つという発想はない」と述べ、民間の協力が必要だとの認識を示している。

<「暫定案」が浮上>
 秋田は21日現在、11勝4分け1敗の勝ち点37で首位を走る。早期のJ2昇格を目指すべきだというサポーターの声は多い。そこで浮上したのが、新スタジアムが完成するまでは既存施設を改修し、暫定的に使用する案だ。
 秋田の岩瀬浩介社長はJ2昇格に必要なライセンスの申請見送りを発表した6月30日の記者会見で、「年度内に(スタジアム)整備の道筋が付くことを前提に、来年、J2ライセンスを申請する」と明言した。発言は「暫定使用案」を念頭に置いたものとみられる。
 ただ、暫定的な改修となれば、収容人数に応じたトイレの数や車椅子席の確保といったライセンスの条件を満たせない可能性もある。

<前例のない構想>
 そこで注目されるのはJリーグの対応だ。過去に長崎と山口が、申請時にJ2の基準を満たしていなくても、開幕時に整備が完了していることを条件にライセンスが交付された。だが、秋田が構想するケースは前例がなく、Jリーグも「個別の案件には答えられない」と明確な姿勢を示していない。
 仮にJリーグが認めたとしても、具体的にどの施設をどの程度改修するかの議論はこれから。しかも、佐竹知事は「(新設と改修の)二重投資は避けたい」と慎重な姿勢を崩さない。
 男鹿市のサポーター(43)は「J2昇格は夢。行政は本年度中に確実に方針を示してほしい」と求める。一方で、秋田市と共同で新文化施設の整備が進む中、「税金の無駄遣いだ」(秋田市の50歳女性)などと巨額な「箱モノ」建設への批判も根強い。
 検討会は年度内に4回開かれる予定で、限られた時間で結論を出すという難しい作業を迫られる。

[J2ライセンス]JリーグはJ2昇格に必要なライセンス取得の条件として、施設面では「ホーム競技場に1万人以上が入場可能であること」などを定めている。J3で1位になれば自動的にJ2に昇格できるが、秋田はJ2ライセンスを取得していないため、今季1位になっても昇格できない。


2017年07月22日土曜日


先頭に戻る