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<東京五輪まで3年>「復興」色 矛盾だらけ

小笠原博毅(おがさわら・ひろき)ロンドン大博士課程修了。2016年から現職。近著に「セルティック・ファンダム」。編著書の「反東京オリンピック宣言」には宇宙物理学者の池内了氏らが寄稿した。48歳。東京都出身。

 2020年東京五輪の開幕まで、24日であと3年となる。東日本大震災からの「復興五輪」を掲げるが、具体的な復興支援はまだ見えない。昨年、研究者やアスリートら16人の論考集「反東京オリンピック宣言」を出版した神戸大大学院の小笠原博毅教授(社会学)に問題点を聞いた。(聞き手は東京支社・片山佐和子)

◎神戸大・小笠原博毅教授に聞く

 −「宣言」を出版した動機は。
 「五輪に同調的な言説があふれており、きちんと異議を申し立てたかった。東京電力福島第1原発事故は汚染水処理や廃炉作業など問題が山積しているのに、安倍晋三首相は招致のプレゼンテーションで『状況は統制されている』と切り捨てた。福島がPRに利用されたことに国民はもっと怒るべきだ」

 −被災地の姿と支援への感謝を世界に伝える狙いは評価できるのでは。
 「五輪はスポーツイベント。招致のため感謝を伝えることが無理やり関連付けられた。なぜ東京が、多くの犠牲があった被災地を代表できるのか。五輪が復興についての印象操作の道具にされている」
 「1964年の東京五輪は戦後復興の象徴と言われるが、実態は東京都心が整備されただけで地方との格差が拡大した。現在も五輪に向けて再開発やインフラ整備が進み、一極集中が加速している。復興を後押しすると言いながら資材価格や人件費の高騰を招き、復興事業に実害が出ている」

 −沿岸被災地を巡る聖火リレーや宮城、福島両県での一部競技実施は地元で歓迎の声がある。
 「河北新報社が今年2月に実施した被災42市町村長アンケートに注目したい。五輪は復興に役立つかとの問いに半数以上が『何とも言えない』と答えた。特に原発事故避難区域の首長は大半がネガティブな見方だった。多様な意見があるのに、何となく歓迎ムードがつくられていないか」
 「五輪に批判的だが、どうせやるならと捉え、循環型社会への転換など新しい価値の創造を呼び掛ける人々もいる。異なったビジネスモデルの提供でしかなく、自ら積極的に巨大イベントに貢献しているだけだ」

 −開催準備が進む中、反対を唱える理由は。
 「大手メディアは招致決定以降、反対の声をあまり報道しなくなった。意見の多様性は努力して守るべきだ。安倍首相は『共謀罪』法の必要性や憲法改正の時期を五輪と結び付けた。五輪憲章が禁じる政治利用だ。矛盾と問題だらけの五輪に私は反対と言い続ける」


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2017年07月23日日曜日


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