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<秋田豪雨>孤立住民「死を覚悟」

集落一帯に広がった水は徐々に引き、住民は片付けに追われた=24日午後2時30分ごろ、大仙市刈和野百人畑

 記録的な大雨に見舞われ、雄物川が広範囲で氾濫した秋田県大仙市。24世帯62人が孤立した同市刈和野百人畑地区に24日午前、取材で入った。人の背丈まで水に漬かった道路、折れ曲がり、ガードレールに引っ掛かった巨大な流木が濁流の勢いを物語っていた。(秋田総局・鈴木俊平)

 「自宅が水に囲まれた時は死を覚悟した」。同地区の無職清水紀実男さん(77)が24日正午すぎ、水に漬かった家財道具の片付け作業の手を休め、迫り来る水の恐怖を証言した。むせ返る暑さに額の汗が止まらない。
 清水さんが避難勧告を告げる市の広報車の呼び掛けを聞いたのは23日未明。「大丈夫だろう」と楽観視し、家族と自宅にとどまった。
 同日正午すぎ、雄物川の支流・土買川から水があふれ、約450メートル離れた自宅があっという間に濁った水に囲まれた。水没の危険を感じ、妻や孫を連れ、命からがら近くの高台にある実家に車で避難した。
 自宅1階は床上約30センチまで浸水した。たまたま車で避難できる水位だったため、立ち往生することなく避難できたが、「これだけの規模の水害は初めてとはいえ、もう少し早く逃げるべきだった」と反省を口にした。
 同地区の左官業佐々木行憲さん(75)は自宅周辺の水位が急上昇したため、逃げ遅れた。平屋の自宅は水浸しになり、併設する妻(68)が営む理容店の長椅子の上で一夜を明かした。
 翌日、目にした外の世界は「一面、湖のようだった」。「みんなで助け合い、一日も早く復旧させたいが、自宅の再建には時間も金もかかる」と表情を曇らせた。
 大仙市を中心に一時、約340世帯1000人に上った孤立集落は24日夜までにほぼ解消された。


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2017年07月25日火曜日


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