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<放射光施設>東北の構想 大いに参考に

田島保英(たじま・やすひで)東大法学部卒。原子力機構の戦略企画室長、理事などを経て、2016年4月から現職。千葉県出身。65歳。

 文部科学省が新設を検討する次世代型放射光施設を巡り、国立研究開発法人の量子科学技術研究開発機構(量研機構、千葉市)が整備運用計画案の作成を進めている。建設候補地の公募には東北大青葉山新キャンパス(仙台市)を拠点とする地域構想1件が応じ、東北の関係者が推移を見守る。量研機構の田島保英理事に今後の展望を聞いた。(聞き手は東京支社・片山佐和子、報道部・高橋鉄男)

 −国の委託で5月末に計画案作成を引き受けた。
 「大型放射光施設スプリング8(兵庫県)の建設経験を生かせることが大きい。機構の前身の日本原子力研究開発機構(原子力機構)は理化学研究所(理研)と共同で施設整備を手掛け、線形加速器などを建設した。現在は専用ビームライン2本を使い、研究開発に取り組む。放射光以外の量子ビーム関連施設も保有しており、産学連携の経験も活用できる」

 −計画案の検討状況は。
 「6月1日付で5人体制の高輝度放射光源推進準備室を発足させた。国が策定する計画を下ごしらえし、文科省科学技術・学術審議会の小委員会で吟味してもらう。今後の日程は未定だが、スピード感を持って取り組む。27日の小委員会で骨子案を示す予定だ」

 −産学連携組織の光科学イノベーションセンター(仙台市)と東北経済連合会、宮城県が合同提案した地域構想をどう見るか。
 「量研機構は地域を決める立場になく、評価は控える。ただし、民間資金の活用といった財源分担も含め官民や地域の連携の在り方が具体的に提案され、大変参考になる。提案者とは事実関係の確認などを書面でやりとりしている。必要に応じて現地の状況を見たい」

 −建設地の要件は。
 「地盤の強度や広さなど技術的な要件に加え、利便性を重視する。施設は物質の機能を調べる『軟エックス線』分野に強みがあり、学術界とともに産業界の期待が高い。産業需要に柔軟に応えるためにも、利用者の視点を大切にしたい」

[量子科学技術研究開発機構]放射線医学総合研究所と原子力機構の量子ビーム、核融合両部門を再編統合し、2016年4月に発足。量子ビーム関連は高崎量子応用研究所(群馬県)と関西光科学研究所(京都府)を拠点とする。


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2017年07月26日水曜日


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