青森のニュース

<八戸工大>三味線の音色を自動で楽譜化

西洋の楽譜になった「花笠音頭」などを演奏したマシューズさん
公開授業で装置の仕組みなどを説明する小坂谷教授

 三味線による伝統音楽を正確に記録し後世に残そうと、八戸工業大大学院(青森県八戸市)の小坂谷寿一教授(音響工学)の研究室が楽譜化を進めている。小坂谷教授は昨年、津軽三味線奏者が弾いた音色を自動で楽譜にできる装置を開発し、青森県内の民謡を中心に楽譜を製作。24日には同大で公開授業を行い、学生に成果を紹介した。
 開発した「伝統音楽保存用自動採譜装置」は、エレクトリック三味線で演奏した音をコンピューターで取り込んでデータ解析し、音階とノイズを分解した上で楽譜にする仕組み。西洋の楽譜と三味線用の楽譜が自動で同時に製作できる。
 小坂谷教授が10年ほど前に三味線を習い始めた際、いつまでも楽譜が渡されず、1人で復習できなかったことがきっかけとなり、2009年に開発に着手した。昨年、最初の装置が完成。複雑な民謡の場合、音を拾いきれない場合があり、現在も改良を続けている。
 演奏は津軽三味線奏者で民謡家の松田隆行さんに依頼し、4年間で約100曲の音源を集めた。昨年、装置で製作した27曲の楽譜を県総合教育センターに寄贈した。今後も年に20〜30曲ずつ寄贈する予定という。
 公開授業では、装置で作製した山形県の民謡「花笠音頭」の楽譜を、この日に初めて見た米国人ジャズピアニストのデビッド・マシューズさんらが演奏。本場のジャズの生演奏も披露した。
 マシューズさんは「簡単だけど良いメロディーだった。この装置を使って西洋の楽譜に変えることで、日本の文化を世界で共有できる」と語った。
 小坂谷教授は「さらに装置の精度を高め、全国の民謡も楽譜化を進めたい」と話しており、将来は東南アジアの伝統楽器などの楽譜化にも貢献したい考えだ。


関連ページ: 青森 社会

2017年07月26日水曜日


先頭に戻る