岩手のニュース

<新ごみ焼却場問題>住民とゼロから再考を

 盛岡広域圏8市町による一般ごみの焼却施設建設計画では、過去に交わした覚書を軽視する行政に住民の怒りがあらわになった。行政の手順に誤りはなかったのか。岩手大の井上博夫名誉教授(財政学、環境行政論)に聞いた。
 覚書で盛岡市と住民が協議を開始する時点と定められた「基本計画策定の段階」は、地域事情に応じたごみ処理方法や施設概要について話し合いを始めるタイミングと読み取れる。
 従って、8市町のごみの集約処理方針と整備候補地を決定した後で住民に説明を始めた市の態度はフェアでない。覚書に基づいて住民と対等のテーブルに着き、白紙の状態から計画を再考すべきだ。
 そもそも覚書は「分散型立地を原則」としており、8市町が打ち出した集約処理方針は明らかな覚書違反。このまま計画を押し進めたいのなら、住民に対して覚書の改訂を申し入れるべきだ。
 改訂する際は各町内会長との話し合いが入り口になるのだろうが、覚書は市の役割を「住民投票やアンケートで地域住民の意向を調査」と定めており、結論を導くには地域住民全体の意見を聞く必要がある。
 覚書は市と住民が結んだ約束であり、当時の住民同士が論戦を交わした結果の妥協策でもある。その扱いを曖昧にしたまま計画を進めれば、この先、行政が何を決めるにも住民の信頼は得られなくなる。


関連ページ: 岩手 社会

2017年07月26日水曜日


先頭に戻る