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<労基法改正案>連合宮城反発 廃案へ攻勢

安倍政権の「働き方改革」を検証したシンポジウム

 一部職種を残業代支払いなどの労働時間規制から外す労働基準法改正案を巡り、国内最大の労働者団体、連合が混迷を深めている。政府に修正を求め、事実上の容認姿勢を示した執行部に対し、宮城県内の傘下組織は激しく反発。内閣支持率の続落で安倍晋三政権の勢いが陰る政情を踏まえ、「廃案に向けて攻勢を掛けるべきだ」と息巻く。

 仙台市青葉区の仙台弁護士会館で21日にあった、安倍政権の「働き方改革」を検証するシンポジウム。「高度プロフェッショナル制度」の創設と企画業務型裁量労働制の拡充を含む労基法改正案の問題点を話し合った。
 「寝ずに働け、と使用者が命じても合法になる恐ろしい仕組みだ」。日本労働弁護団幹事長の棗(なつめ)一郎弁護士が改正案を解説し、連合宮城の関係者ら約50人を前に反対を呼び掛けた。
 連合は「残業代ゼロ」「長時間労働の助長」と批判してきたが、13日に神津里季生会長と安倍首相が過重労働の防止措置を強化して法案を修正する方向で一致し、混乱が広がった。
 産業別労組(産別)の一つ、電機連合宮城地方協議会は「問題の多い改革なのに、事前の組織内協議は全くない。唐突な方針転換だ」と憤る。法改正後は要件がさらに緩和され、労働法制自体が骨抜きになる懸念も指摘されている。
 連合執行部の変心は、「数の力」で法案を押し通しかねない巨大与党への恐れが見え隠れする。だが、東京都議選に続いて23日投開票の仙台市長選では与党系の候補者が敗北。政権への不信は広がっている。
 UAゼンセン宮城県支部は「長時間労働を助長する本末転倒の改革で、今こそ抗議活動を強めて法案をつぶすチャンスだ。安倍首相の思いを忖度(そんたく)する必要はない」と気勢を上げる。
 改正案の修正について、連合執行部は27日にも政労使で合意するかどうか判断する。組織内の反発を踏まえ、合意を見送り、新制度容認を撤回する可能性が高い。連合宮城の小出裕一会長は「なぜ政権に政治的助け舟を出したのか。違和感しかない」と強調し、厳しい目を向けている。

[労働基準法改正案]2015年4月に閣議決定した。高度プロフェッショナル制度は、年収1075万円以上の研究開発など専門職を労働時間や休日の規制対象外とする。年収に関係なく、働いた時間にかかわらず一定時間労働したとみなす裁量労働制は、対象の業種を拡大する。


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2017年07月27日木曜日


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