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<清月記>被災ビル被害調査に取引業者立ち会い 元所有者「全く知らない」

仙台市が2012年3月に作成した3回目の被害認定調査票。「大規模半壊」の欄がチェックされている

 仙台市の冠婚葬祭業清月記が東日本大震災後に購入した雑居ビル(青葉区)の被害認定の経緯に、元所有者の男性が疑義を唱えている問題で、売買契約直前に行われた市の2、3回目の被害認定調査時、同社に近い業者が立ち会っていたことが26日、分かった。立ち会いは原則、所有者か代理人にしか認められていないが、元所有者は「いずれの調査も全く知らなかった」と話している。
 市は2、3回目の調査を2012年3月6日と22日に実施。調査票の「立会者」欄には、市内の不動産と建設会社でそれぞれ役員を務める男性の名前が記載されていた。
 市によると、第三者が調査に立ち会う場合、所有者か代理人の委任が必要。市は調査当日、現場にいた2人を立会者とみなしたが、委任の有無を確認していなかった。ビルは当時、日中は施錠されておらず誰でも出入りできる状態だったという。
 2人は取材に対し、調査に立ち会った事実を認めた。建設会社の役員は「不動産会社から頼まれただけで、経緯は知らなかった」と釈明。不動産会社の役員は「当時は清月記を含む多数の現場に立ち会っていた。このビルについての記憶が断片的で、曖昧なことは話せない」と語った。
 建設会社は工事請負額の約8割を清月記関連が占め、不動産会社も清月記と取引実績があった。清月記の菅原裕典社長は「元所有者から委任を受け、不動産会社の役員が全て手続きをしたはずだ。違法性はない」と述べた。
 一方、元所有者は「2人の名前も会社も全く知らない。委任した事実はなく、知らないところで手続きが進められた」と反論した。
 市資産税企画課は「委任がないことが明確な場合、立ち会う権限はなく、調査はしない」としている。
 清月記はビルの購入に際し、自前で建物を解体する「半壊」の被害認定を前提に12年3月29日、元所有者と売買契約を締結した。被害認定は2日前の27日、公費で解体できる「大規模半壊」に引き上げられ、実際は市が解体費約7600万円を公費で支出した。
 元所有者側は「大規模半壊」に引き上げられた事実を知らされておらず、「詐欺行為に当たる」として、清月記に損害賠償を求め、仙台地裁に提訴する方針。


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2017年07月27日木曜日


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