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<トヨタ東>地場企業競争力強化へ協力 白根武史社長に聞く

[しらね・たけし]早大卒。77年トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。第1調達部長、専務役員などを経て、12年7月発足のトヨタ自動車東日本社長。64歳。大阪府出身。

 トヨタ自動車東日本の白根武史社長(64)は、河北新報社の取材に応じた。地元企業の競争力強化を支援する方針を示し「東北はものづくりの一大拠点として発展できる」と語った。(聞き手は報道部・保科暁史)

 −発足から5年が経過した。
 「(岩手、宮城大衡工場などで製造する)コンパクト車はグローバルな競争が激しい。激動の中で緊張感があり、振り返る余裕はない。設計・開発から生産まで一気通貫でできることが当社の強み。現場の知恵と工夫を生かした『からくり』でものづくりの力を高め、それを前工程の生産技術や設計に生かしてきた。機能間の一体感は、5年間でぐんと高まった」
 「コンパクト車が車造りのベースになる。シンプルな中に必要な要素を盛り込み、かつリーズナブルに提供しなければいけない。アンテナを高くし、新たなニーズを誘因する力も必要だ」

 −東北の自動車産業の裾野は広がったか。
 「当社発足の前と後では、東北と車造りの関係性は圧倒的に変わった。東北にある1次、2次の部品メーカーの拠点は5年間で1.4倍に増え、2000人の雇用につながった」

 −進出企業の拠点が多く、地元企業の参入は厳しさを増したとの声もある。
 「地場企業に競争力がなければ、1次メーカーは三河地方(愛知県)などの2次メーカーの部品を使う。それに打ち勝つ競争力が必要だ。当社も地場企業の部品造りに協力する。食らいついてもらいたい」
 「自動車部品には鋳造、プレス、電子部品などあらゆるカテゴリーが入る。ここで競争力を身に付ければ、さまざまな産業や海外に展開できる可能性がある」

 −東北の経済界や自治体に対する注文は。
 「人材育成にはもっと力を入れてほしい。当社が開設したトヨタ東日本学園は地場企業の従業員も受け入れており、それぞれの会社で現場を引っ張る柱になる可能性がある。人材育成の器、機関はさまざまな形でつくれるだろう」

 −東日本大震災からの復興にはどう貢献するか。
 「競争力のある車造りを営々と続けていくことが最も大事だ。復興も当社もまだ道半ば。東北でのものづくりが手本となり、トヨタグループの世界の拠点に広げることが大きな志だ」


2017年07月28日金曜日


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