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<トヨタ東>設立5年 部品の現地調達化着々 地元参入ハードルなお高く

生産性の向上を進め、コンパクト車を組み立てるトヨタ東日本の製造ライン=宮城大衡工場

 トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は7月、発足から5年となった。コンパクト車の製造を担うグループ第三の拠点に位置付けられ、周辺には関連企業の進出が相次ぎ、部品の現地調達化は着実に進む。一方、地元企業参入のハードルは依然高く、東北でのサプライチェーン構築に向けた模索が続く。

 2011年12月に発売した小型ハイブリッド車「アクア」は12〜15年度、国内販売台数で首位に立った。小型ミニバン「シエンタ」、小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「C−HR」の販売も好調で、生産台数は年間50万台以上を維持。トヨタが国内向けに生産する年150万台のうち、3分の1を手掛ける。
 トヨタ自動車東日本によると、部品供給を受ける東北の1次、2次メーカーの生産拠点はこの5年間で4割増え、約140になった。東北経済産業局自動車産業室は「売れる車を造り続けていることが大きい。産業の厚みは着実に増している」と分析する。
 ただ、1次、2次に位置する地元企業は一部に限られる。同社発足前の12年4月に開いたアクアの部品展示会には約440社が参加したが、1次取引先になる企業は見つからず「方針を転換した」(同社幹部)。中部地方などの実績がある企業の進出を促し、地元企業の活用を働き掛けた。
 有力部品メーカーの小島プレス工業(愛知県豊田市)は東北に工場を設けず、パートナーとなる地元企業を発掘。技術力向上に協力し、参入を支援した。現在、ハイブリッド車用の電池ケースを製造する東北電子工業(石巻市)やプレス部品の登米精巧(登米市)などと取引する。
 小島プレス工業秘書室は「地場の企業が自動車産業の技術力を身に付けて発展すれば、地域にとってメリットが大きい」と語る。
 一方、東北の製造業者や自治体には新たな危機感も生まれている。
 産学連携組織「みやぎ自動車産業振興協議会」の幹部は5月の総会で「5年間でサプライチェーンの構築が進み、地元企業の参入はさらに厳しくなっている」と指摘した。
 みやぎ産業振興機構(仙台市)の担当者は「地域の核となる企業を育ててサプライチェーンの上流を目指してもらい、参入のチャンスを広げたい」と地元企業の底上げに期待する。

[トヨタ自動車東日本] トヨタ自動車子会社の関東自動車工業、セントラル自動車、トヨタ自動車東北が2012年7月に合併し誕生。完成車製造の宮城大衡(宮城県大衡村)、岩手(岩手県金ケ崎町)、東富士(静岡県裾野市)、エンジンなどの宮城大和(宮城県大和町)の4工場などの拠点を持つ。岩手はアクアとC−HR、宮城大衡はシエンタやカローラアクシオなどを生産。正社員数は約7500人。


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2017年07月28日金曜日


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