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<むすび塾>観光客の安全どう確保 体験踏まえ対策議論 宮城・亘理

「わたり温泉鳥の海」屋上から津波被災地の様子を確かめる参加者=宮城県亘理町荒浜

 河北新報社は27日、通算69回目の防災・減災ワークショップ「むすび塾」を宮城県亘理町荒浜の町営温泉施設「わたり温泉鳥の海」で開いた。復興が進む観光地で、県内外から集まる観光客の安全をどう確保するかがテーマ。地元の観光、商業関係者ら9人が、東日本大震災の体験を基に備えの在り方を語り合った。
 温泉施設は海が目の前にある鉄筋5階の建物。震災時の津波で1階部分が損壊し、営業休止に追い込まれた。2014年に日帰り入浴を再開、1日1000人前後の客が訪れ、にぎわいを取り戻しつつある。
 震災時、館内に残っていた客や従業員ら44人は4階や屋上に避難して無事だった。誘導した当時の支配人丸子輝子さん(74)は「帰宅を望む声が多かったが『上に上がって』と繰り返し叫んだ」と振り返った。
 参加者の多くが「海沿いの荒浜地区でも津波避難の心構えはできていなかった」といい、住民自身の意識向上が先決との認識を示した。
 産直施設を運営する「鳥の海ふれあい市場協同組合」代表理事の中嶋一昭さん(58)は「観光客を守るのは観光地の務め。観光客避難を想定した訓練を年1、2回実施したい」と提案。「初めて来る人も道に迷わないよう、避難経路を道路上に表示したらどうか」「来訪者を巻き込んだ訓練が重要だ」との意見も出た。
 東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔助教(災害情報学)は「訓練すれば新たな発見もある。小規模でもいいので、まずは実施してほしい」と助言した。
(詳報を8月11日の朝刊に掲載します)


2017年07月28日金曜日


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