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<秋田豪雨>犠牲者ゼロ 土砂崩れ少なさ要因 住民ら日頃の訓練生きる

雄物川の氾濫により、広範囲で冠水した秋田県大仙市内。住宅被害は出たが、死者や行方不明者はいなかった=23日、大仙市協和峰吉川

 秋田県内に降った記録的な大雨で27日現在、計1442棟が半壊や浸水などの被害に遭い、農業被害もかなりの額に上ると予想される一方で、犠牲者は一人も出なかった。降雨が平野地に集中し、土砂崩れの数が少なかったほか、氾濫した雄物川の水位上昇に時間がかかったことが大きな要因とみられる。住民の防災意識が高かったことも、人的被害を抑える結果につながった。

 秋田地方気象台によると、今回の大雨で秋田、横手両市などでは22日の降り始めからの総雨量が300ミリを超えた。
 秋田大地方創生センター地域協働・防災部門の水田敏彦教授(地震防災)は、人的被害がなかったことを「土砂崩れの数が少なく、規模が小さかったためではないか」とみる。
 福岡、大分両県に甚大な被害をもたらし、死者35人、行方不明者6人を出した今月上旬の九州北部の豪雨では、福岡県朝倉市などで土砂崩れが少なくとも300カ所以上あった。一方、27日現在で秋田県が確認した土砂崩れは30件程度だった。
 水田教授は土砂崩れが少なかった要因として、山間部で、比較的降雨量が少なかった可能性を挙げる。さらに「表層が崩れにくい地質だったのではないか」と推測する。
 また、雄物川の水位が上昇するまでに時間があり、避難する時間を確保できたことも大きい。九州北部の豪雨では、筑後川北部の複数の支流が降り始めから2時間以内に氾濫の危険が高いレベルになった。雄物川の上流が氾濫危険水位を超えるまでには13時間程度あった。
 雄物川は戦後、昨年までに13回の氾濫を繰り返している。大仙市内には水害などに備える自主防災組織が約370あり、今回の大雨でも力を発揮。同市神宮寺の本郷町内会は避難指示が発令された23日未明、自主防災組織のメンバーが地区の130世帯を一軒一軒回って避難を呼び掛けた。
 同市では東日本大震災の教訓を生かし、2013年度から複数の中学校で地域住民と連携した避難所開設の訓練も実施している。氾濫地域に近い同市神宮寺の平和中が、日頃の訓練の成果を生かしてスムーズな避難所の開設につなげた。
 本郷町内会長の農業鈴木幸一さん(67)は「普段から水害への危機意識を持っていたことが生きた」と強調した。


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2017年07月28日金曜日


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