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<宮城知事選>障害者雇用率なお足踏み 賃金・人間関係…目立つ離職

◎みやぎ考/ミスマッチ解消が鍵

 宮城県内の民間企業で働く障害者が、低賃金や職場の人間関係などへの不満を理由に離職するケースが相次いでいる。2016年の障害者雇用率は1.88%で、全国40位にとどまった。14、15年と2年続いた全国最下位は免れたが、依然として国が求める法定率の2.0%を下回っている。
 県は今年1月、県内の障害者4000人を対象にアンケートを実施(回収率47.8%)。最優先で取り組んでほしい施策(複数回答)に「働ける場の確保」を選んだ人は28.5%で、「年金等の充実」(43.2%)に次いで多かった。
 「働ける場」を挙げた人のうち、企業などでの就業年数が「5年未満」は52.8%で、「5年以上」の44.7%を上回った。仕事の悩み(複数回答)は「低賃金・低工賃」(25.8%)、「勤務体制」(24.2%)、「人間関係」(20.8%)の順となっている。
 県の別の調査では、15年度に社会福祉法人やNPOが運営する就労移行支援事業所から企業に173人が就職した一方、離職者も80人に上った。県障害福祉課は「就労意欲が高い人ほど能力に合わない仕事への不満や、周囲から気を使われることに孤独を感じやすい」と分析する。
 企業の採用意欲は徐々に上向いているが、4〜5月にやめるケースが多いという。障害者雇用率は厚生労働省が6月1日時点の実数を集計する。法定率は18年度に2.2%、20年度末までに2.3%に引き上げられるが、同課は「ミスマッチをなくさなければ達成は難しい」と話す。
 雇用情勢を改善しようと、県は15年度から幹部による企業訪問や合同面接会を開始。本年度は就労移行支援事業所と民間企業の交流を強化し、担当者間の意見交換の場や障害者個人の特性を企業側に説明する機会を設けている。
 宮城障害者職業センター(仙台市)の岩佐純所長は「企業も資源と労力を費やして採用しており、定着が図れない現状は大きな損失だ。行政が企業の現場に入り込み、双方が働きやすい環境の整備や理解者を増やすなど地道な努力が欠かせない」と指摘する。


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2017年07月29日土曜日


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