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<南東北インターハイ>グラウンド被災、砂利の駐車場で練習…逆境はねのけ上位目指す

駐車場でハンマー投げの練習を重ねる三浦君。右奥には今も仮設住宅が並ぶ

◎陸上男子ハンマー投げ 三浦琢磨君(宮城・志津川)

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町に住む志津川高3年、三浦琢磨君(17)が全国高校総合体育大会(南東北インターハイ)の陸上男子ハンマー投げに出場する。練習場のグラウンドを津波で失い、砂利敷きの臨時駐車場でトレーニングを積む。逆境をはねのけ「上位を目指す」と気合を入れる。

 校舎は高台にあるが、別の場所にあった陸上部のグラウンドは津波にのまれた。三浦君がハンマーを手にしたのは高校入学後。学校敷地内の臨時駐車場に移った50メートル四方ほどの狭い練習場で技を磨いてきた。
 投てきサークルの左手に弓道場がある。人がいたり車が止まっていたりするときは投てきを控えているが、飛ばし過ぎるとハンマーが弓道場を直撃し、これまで3回壁を壊した。右手には仮設住宅が今も立つ。事故防止のネットもあるものの「どうしても気を使ってしまい、投げる力も抑え気味になる」。決して十分な練習環境ではない。
 同校は陸上で毎年のように選手をインターハイに送り出してきたが、震災以降は遠ざかっていた。三浦君は6月の東北高校大会で54メートル98の自己ベストを出して2位に入り、同校から7年ぶりのインターハイ出場を決めた。60メートル台の自己新と表彰台を目標に掲げる。
 小野寺晃監督(37)は「三浦が強豪校復活の扉を開いてくれた。1、2年生が続いてくれるはずだ。小さな町なので志津川高生の頑張りが町民への励ましになる」と期待する。
 「どの学校も設備が整っているわけではない。これが普通の環境と開き直っている」と三浦君。インターハイでは「一選手としてどこまで通用するかを試したい」と意気込む。
 ハンマー投げの予選と決勝は29日、天童市の山形県総合運動公園陸上競技場である。(スポーツ部・岩崎泰之)


2017年07月29日土曜日


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