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<水のある風景>湧き水 真夏もきりり

湧き水の涼に浸る子ども

 梅雨もまだ明けないうちから、夏本番の暑さに見舞われている今年。例年より早い盛夏の訪れに、涼を求める声があちこちであいさつ代わりになっている。ひとときの清涼と安らぎをもたらす光景を東北各地で探してみた。

◎2017夏・涼(2)水分神社(岩手県紫波町)

 南部杜氏(とじ)の里で知られる岩手県紫波町の水分(みずわけ)神社は、平日でも人が途切れない人気の湧き水スポット。東根(あずまね)山の麓に位置し、樹齢700年というスギの大木に囲まれてたたずむ。
 水の神をまつる神社は807年、征夷大将軍・坂上田村麻呂の創建とされる。社殿前に4カ所の取水所があり、子どもから大人まで毎日約100人以上が水をくみに訪れる。
 水温は一年を通して9度。真夏でもきりりと冷たい。神社の近くに水源があり、岩の間から毎分1.1トンがこんこんと湧き出す。超軟水でまろやか。癖がなくてさっぱりしている。
 盛岡市の主婦藤原美恵子さん(69)は毎週1回、ポリタンクで50リットル以上をくんでいく常連だ。「味が澄んでいて、お茶やコーヒーにするとおいしさが際立つの」。金魚用の水槽水にも利用しているという。
 湧き水は、町のかんがい用水や水道水にも引かれている。近隣地区から選ばれた住民が神社の総代や役員となって日々、取水所を管理している。役員の鷹木(たかぎ)正克さん(68)は「湧き水は生活を支える町の財産。町民で力を合わせて守っていきたい」と語った。


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2017年07月29日土曜日


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