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<核のごみ>「復興と処分場、全く相いれない」東北沿岸、適地判断に反発

核燃料サイクル施設が集積する青森県六ケ所村=2015年12月

 高レベル放射性廃棄物の最終処分候補地となり得る地域を示す「科学的特性マップ」が公表された28日、東北の自治体からは沿岸部を中心に適地とされたことへの憤りや、慎重な対応を促す声が交錯した。核燃事業を受け入れる青森県からは最終処分の進展に向け、一定の評価も聞かれた。
 「三陸の豊かさ、東日本大震災から立ち上がった人々の力強さを売りに復興を目指している。最終処分場は全く相いれない」
 適地とされた釜石市の野田武則市長は強く反発した。同市では旧動力炉・核燃料開発事業団が1988年から10年間、地層処理の基礎研究を行い、市議会は89年、最終処分地の受け入れを拒否する宣言を決議。野田市長は「宣言は受け継がれている」と強調した。
 国は最終処分場で放射性廃棄物の地層処分を目指すが、日本学術会議は「現在の科学知識と技術能力では限界がある」と指摘する。こうした見方を踏まえ、達増拓也岩手県知事は「慎重な意見もある。県が受け入れる考えはない」と断言した。吉村美栄子山形県知事も受け入れを否定した。
 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)が立地する宮城県。村井嘉浩知事は「選定は国民理解を得た上で誠実、慎重に行うべきだ」、須田善明女川町長は「マップ公表を第一歩として政府のさらなる取り組みが重要」とコメントした。
 青森県は政府が候補地から事実上除外している。六ケ所村の日本原燃には海外返還分と国内発生分を合わせ、2176本の高レベル放射性廃棄物が最終処分場への運び出しを待つ。戸田衛村長は「国が最終処分の解決に前面に立って取り組む姿勢だ」と評価した。
 東北電力東通原発と建設中の東京電力東通原発が立地する東通村の越善靖夫村長は「(処分場の誘致を)検討するともしないとも言わない」と明言を避けた。
 政府は福島県も候補地から除外する考え。それでも東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域を抱える浪江町の馬場有町長は「マップに指摘されたことで町民の帰還意欲が喪失される」と憤る。
 2015年に脱原発都市を宣言した南相馬市の桜井勝延市長は「原発を推進すれば最終処分する廃棄物が増え続け、その分処分場が必要となる。極めて懸念すべきことだ」と訴えた。


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2017年07月29日土曜日


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