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<南東北インターハイ>古里で頂点目指す 気仙沼出身2選手、震災越えて

地元開催の大舞台を控え練習に熱が入る村上選手=気仙沼市の気仙沼高
「成長した姿を見せたい」と練習に励む斎藤選手=さいたま市の埼玉栄高

 8月1日に気仙沼市総合体育館で開幕する全国高校総体(南東北インターハイ)のフェンシング個人フルーレに、地元出身の村上拳(気仙沼2年)、斎藤利莉(埼玉栄1年)の男女2選手が出場する。共に東日本大震災を乗り越えた2人が、故郷の大会で日本一を目指す。

 気仙沼は古くからフェンシングが盛ん。2012年ロンドン五輪の男子フルーレ団体で千田健太さん(31)が銀メダルを獲得し、08年北京五輪とロンドンの女子フルーレ個人では菅原智恵子さん(40)が2大会連続の7位入賞を飾った。村上、斎藤両選手は両先輩の後継者として期待される。
 村上選手は6月の宮城県高校総体男子個人フルーレで2連覇し、出場権をつかんだ。「地元開催なので絶対出たかった」。大舞台を前に、主将として仲間と取り組む練習に熱が入る。
 5歳で競技を始め、10年に国際大会で優勝。飛躍を期した翌年、震災の津波で自宅を失った。「震災で弱くなったと言われたくない」。負けん気に火が付いた。
 気仙沼市松岩中3年だった15年に全国中学大会で5位入賞した。初出場した昨年のインターハイは予選敗退だったが、全国の強豪が力を競う雰囲気を体感。持ち前の素早い攻撃に磨きをかけ、本番を待つ。
 斎藤選手は今春、同市大谷中を卒業。「あえて厳しい環境に身を置き、自分を高めたかった」と地元を離れ、5月の埼玉県高校総体で団体、女子個人フルーレの2冠を飾った。
 毎日の練習は5時間。歯を食いしばって苦手な走り込みを耐え、体力を付けた。「宮城より暑く、精神的に強くなった」。充実した練習環境で成長を続ける。
 来月で震災から6年半。犠牲になった父道利さん=当時(45)=の熱心な応援が忘れられない。「精神的にも技術的にも上達した姿を見せたい」。鍛え上げたフットワークでトップレベルの選手らに立ち向かう。
 選んだ環境は異なっても、2人が古里を思う気持ちは一緒。村上選手は「全国の選手にフェンシングで盛り上がっている気仙沼の今を感じてほしい」、斎藤選手も「少しでも復興した姿を選手や観客に見てもらいたい」と願う。


2017年07月30日日曜日


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