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<浅野氏が見た都議選>無党派の巨人、勝負勘健在

 小池百合子東京都知事が率いた「都民ファーストの会」が圧勝した都議選を論評してもらおうと、浅野史郎前宮城県知事にインタビューした。退任した2005年以来12年ぶりの取材だったが、率直な物言いは相変わらず。地方自治の理想と現実を改めて考えさせられた。

◎東京検分録

 第1の視点は、浅野県政の代名詞だった「情報公開」。「小池知事VS自民党」の劇場型選挙に隠れたが、都民ファはスローガン「東京大改革」の大原則に据えていた。
 「『のり弁』をやめます 『黒塗り』の公文書を改め、徹底的に情報公開します」。政策集を読み、何を今更と正直思った。都政の時代遅れを再認識した。
 「情報公開は行政組織を守る『転ばぬ先のつえ』」。食糧費問題で身をもって知った浅野氏も「小池さんはマイナスの体験をしていない中で、どこまでの本気度なのか分からない」と分析。お手並み拝見といったところだろう。
 第2は、住民が1票を投じて首長と議員をそれぞれ選ぶ「二元代表制」が機能するのか。都議選直後、小池氏は都民ファ代表を退いたが、55人のチルドレンはボスをただせるのか。
 「最初は違和感があったが、見方を少し変えた」と浅野氏。「知事というよりも行政を丸ごとチェックするのが議会の本来の役割。政策で行政側と切磋琢磨(せっさたくま)してほしい」と期待するが、玉石混交の集団との見方が支配的。やや甘いか。
 10月の宮城県知事選への影響を聞いた。「負け犬の遠ぼえかもしれないが、僕が辞めた後の知事選が今のような状況だったら、ちょっと結果が違っていた」
 自民党県議だった村井嘉浩氏が浅野氏後継の前葉泰幸氏(現津市長)を破り、初当選した05年の知事選を振り返り、こう見通した。
 「自民党への逆風は、秋まで吹き続けるかどうかは分からないが、まだやまない。東京から300キロ離れた宮城にだって届く」
 23日投開票の仙台市長選では反自民の風が吹いた。「無党派の巨人」の勝負勘はなお健在と見た。(東京支社・瀬川元章)


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2017年07月30日日曜日


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