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<この人このまち>海外と戦う農業後押し

山野豊(やまの・ゆたか)1961年秋田市生まれ。2003年からリンゴ輸出など農業分野に携わり、10年にリンゴの販売・輸出の「山野りんご株式会社」を設立。同年から現職。

 青森県弘前市のリンゴ会社社長の山野豊さん(56)は、農作物の安全性などを担保する「パスポート」として注目度が高まる国際認証「グローバルGAP」の普及に力を注いでいる。認証を「農業がグローバリズム(国際化)の中で戦うために最低限必要な装備」と語る山野さんの熱意に迫った。(青森総局・茂木直人)

◎リンゴ会社社長 山野豊さん

 −GAPとは何ですか。
 「農作物を作る時に農家が守るべき最低限のルールです。労働環境や衛生面などを第三者機関が審査し、業者や消費者に安全性や品質を保証します。採用している国が多い点で、欧州発祥のグローバルGAPが事実上の世界基準です」
 −以前は工業界にいたそうですね。
 「1984年に22歳で千葉県の機械メーカーへ就職しました。しかし、80〜90年代に工業の国際規格をクリアした安価な海外製品が日本に入ってきたため、勤務先は2002年に倒産。自社製品を含め日本製品は世界から高評価を得ていましたが、グローバリズムに歯が立ちませんでした」

 −翌03年に農業分野へ転身しました。
 「リンゴを生産、販売する弘前市の友人に、国際的なGAP取得の手伝いを頼まれました。取引先のイギリスの商社に取得を求められていたようで、私は英語で書かれたルールの翻訳を担当しました。農業の国際認証に触れ、工業分野で起きたことは農業分野でも起こると思いました」

 −現在、GAPの取得を目指す農家を指導しています。
 「自分自身で改善点を見つけ対処するという、GAPの本質を説くことを最も重視しています。ルールを教えたり、実際に農地を訪れて課題点を問い掛けたりもします。指導した五所川原農林高(五所川原市)はリンゴで、国内の高校で初めてグローバルGAPを取得しました」
 「昨年7月には、農家からの疑問に答えるGAP相談所を弘前大に設立しました。入所した大学生所員にGAPの正確な知識を伝えるのが、一番の目的です」

 −販路拡大や国際市場などを目指すなら、GAP取得が避けられない現実が迫りつつあります。
 「ヨーロッパの大手流通業者のほとんどが、仕入れ基準にグローバルGAPを採用しています」
 「今後、日本の農作物が国際競争に加わるには、グローバルGAPの取得が最低限の条件になります。GAPの必要性を広め、国内外の競争に生き残れる強い農作物を作る手助けをしたいです」


関連ページ: 青森 社会

2017年07月31日月曜日


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