秋田のニュース

<秋田いのちの電話>運営苦慮 相談件数は高止まり 自殺ほのめかす電話は夜に集中

受話器越しの悲痛な叫びに耳を傾ける相談員

 日常生活の悩みや相談に応じるNPO法人「秋田いのちの電話」(秋田市)が、相談員や運営費の不足に直面している。年間の相談は1万件を超えて高止まりする一方、支援態勢は十分と言えず、ニーズに応え切れない状況が続く。関係者は「命をつなぐ役割を続けるために、支援の手を差し伸べてほしい」と呼び掛ける。
 秋田いのちの電話は1998年設立。秋田市内の事務所に電話機2台を置き、年始を除く毎日正午〜午後9時、ボランティア6人が交代で対応している。1日約40件の相談が寄せられ、自殺をほのめかす電話は孤独感が増す夜に集中する。
 相談員は、市内外の主婦や退職者ら約100人。深刻な相談に対応する精神的負担などから1日3時間、月2回しかできない決まりだ。7割は50〜60代で、健康問題や親の介護などで相談員をやめたり、活動を休止したりする人も多い。2年間の座学や実践研修を経て毎年5人程度が新規に登録するものの、十分ではないという。
 相談員の確保に苦慮する一方で、年間の相談件数はグラフの通り、2008年から毎年1万件を超えている。1回の電話で数時間対応することも多く、「通話中」が続いて、支援にたどり着かない相談者は相当数に上るとみられる。
 相談員を10年以上務める女性は「電話を通して相談者と信頼関係を築くには時間がかかる。ニーズに応え切れないのは心苦しい」と明かす。
 人件費や研修事業費が中心の運営費の確保も、大きな課題だ。個人・団体の寄付が減り、昨年度まで3年連続の赤字。本年度は秋田県が補助金を倍増することで計約500万円を確保したが、赤字解消に充てるのがやっと。電話を増設できない上、他県では2〜3人いる事務職員も1人だが増員できない。さらに、関係者から無償で借りている事務所は2年後に契約が切れる。事務所の移転で家賃や駐車場代がかかれば、現在の運営費では賄えず、活動の継続に向けた見通しは不透明さを増す。
 県内の昨年の自殺者数は240人。前年より22人減ったものの、自殺率(人口10万当たりの自殺者数)の23.8とともに、全国ワーストだ。阿部恒夫事務局長(69)は「心の叫びを抱え込む当事者や家族のライフラインとして活動を続けたい。協力の輪を広げてほしい」と訴える。
 寄付などに関する連絡先は事務局018(865)4343。


関連ページ: 秋田 社会

2017年07月31日月曜日


先頭に戻る