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双葉避難者の支え一区切り いわき仮設商店・来月閉店へ 利用客が減少

「多くの人と話せるのが喜びだった」と語る松本さん

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町の町民が暮らすいわき市南台の仮設住宅団地で、5年半近く食料品や生活雑貨を販売してきた仮設店舗が8月末に閉店する。経営する同町の食品スーパー社長の松本正道さん(53)は「町民の食生活や気持ちを支えられたとすれば、うれしい」と話す。

 プレハブの仮設店舗「ふたばふれあい処(どころ)」は、2012年3月に開店した。多い時で約245世帯約430人が暮らした仮設住宅団地も、今や87世帯130人と約3割になり、利用客が減少。従業員も減って満足いく品ぞろえができなくなり、松本さんは当初めどとした丸5年を機に閉店を決めた。
 原発事故前は双葉町中心部でミニスーパー「ブイチェーン マルマサ店」を営んだ。突然の避難を余儀なくされ、県内や東京都を転々。避難生活に気持ちが落ち込んだ。店を共に切り盛りした母の万寿子さん(84)や従業員も同じだった。
 「商売をして精神状態を回復させたい」。いわき市に仮設住宅ができると聞いて出店を申し出た。収支は赤字が予想されたが「どこでやっても厳しいなら、双葉の人のために店をやろうと考えた」と振り返る。
 当初は仮設団地の周囲に商店がなく、入居者や近所の人らでにぎわい、昼食時はレジ待ちの列ができた。遠方に避難する町民も立ち寄り、「双葉にいるみたいだ」と言ってくれた。
 仮設団地では8月12日に町民有志グループ「夢ふたば人」が主催する夏恒例の盆踊りがあり、店として焼きそばや鶏の唐揚げなどを販売する。いつもの顔と会話し、懐かしい人と再会して、5年間の感謝を伝える場になる。
 松本さんは今後、検討しているいわき市南部でのミニスーパー開業の準備に入る。市南部の勿来酒井地区では町が町外拠点に位置付ける避難者向け災害公営住宅を整備中で、来春には仮設入居者の多くが移る。「特色ある店にしたい。古里のためにできるだけ協力していく」と先を見据える。


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2017年07月31日月曜日


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