岩手のニュース

<浄法寺漆>国内シェア7割の岩手・二戸 職人育成を強化「漆の里」復権目指す

 「浄法寺漆」が漆生産の国内シェア7割を誇る岩手県二戸市で、生産体制の強化が始まっている。国宝などの修復に使う漆が2018年度以降、国産に限定されるためだ。今後の需要拡大をにらみ、職人の育成や原料木の適正管理で「漆の里」復権を目指す。
 浄法寺漆の生産量の推移はグラフの通り。07年に世界遺産「日光の社寺」(栃木県日光市)の修復で大量注文が舞い込んだが、以降は中国などの安価な輸入品に押されて減少傾向。直近4年間の生産量は1トンを下回った。
 漆の採取を専門とする漆かき職人の高齢化も深刻だ。市によると、1950年代に300人いた職人は昨年、20人にまで減った。うち半数が70代だという。
 漆産業を取り巻く環境が厳しさを増す中、文化庁は、漆塗りの国宝と重要文化財建造物415棟で修復に使う漆は2018年度以降、国産に限定する方針を表明。今後80年で必要な修復用国産漆を年平均2.2トンと試算した。
 市は若手の漆かき職人を確保しようと昨年、「うるしびと」雇用制度を始めた。総務省の「地域おこし協力隊」制度を活用して一人前の職人を育てる仕組みで現在、20〜40代の男女4人が修業に励んでいる。
 今年5月には、市内全域で9年ぶりとなる原料木の生育調査を実施。9月をめどに結果をまとめ、本数や植栽年数を一目で把握できるデータベースを構築して資源管理の効率化を図る。
 市漆産業課は「うるしびと制度で職人を40人まで増やせば文化庁の求めに応えられる」と説明。原料木調査ではウルシの木の大幅減少も予想されるが「管理体制を見直し、国内最大産地の使命を果たしたい」と意気込む。


関連ページ: 岩手 文化・暮らし

2017年08月02日水曜日


先頭に戻る