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<秋田豪雨>県の危機管理態勢「手薄」知事は県外宿泊を事前に伝えず

豪雨対応を巡り、緊急記者会見を開いた佐竹知事(右)。危機意識の欠如に加え、県の危機管理面の不備が浮き彫りになった=7月26日、秋田県庁

 佐竹敬久秋田県知事が同県内に7月22〜23日に降った豪雨の際、宮城県へ私用のゴルフに出掛けたまま避難勧告が出ても戻らなかった一連の行動は、県組織の危機管理の不備をも浮き彫りにした。知事は県外宿泊を事前に職員に伝えず、災害発生時の職員からの連絡はメールだけだった。東北の他県は、知事が県外に出る際は私用でも所在を把握し、災害発生時の連絡はメールに加え、電話でも伝えており、秋田県の手薄な態勢が際立っている。
(秋田総局・渡辺晋輔、藤井かをり)

 河北新報社は東北6県の各秘書課に「知事は私用で県外に行く際に職員に伝えているか」「災害発生時の知事への連絡態勢」を聞いた。結果は表の通り。
 知事が県外に出る際の所在について、福島県以外は大まかにつかんでいると回答。福島は「通常把握していない」とするが「台風の接近など自然災害の予兆がある場合、休日の予定を伝えてもらう」と答えた。
 秋田県は「知事の連絡を受けて把握する」と回答したが、今回、知事から連絡はなかった。

<指揮系統を確保>
 知事の日程を把握する理由を、青森県は「非常時にも知事の指揮命令系統を確保できるよう万全の態勢を整えるため」と説明した。
 災害時の知事との連絡態勢は、秋田を除く5県がメールと電話で行い、メールのみは秋田だけだった。連絡するタイミングは青森、山形、福島各県が「警報が出た段階」としている。
 佐竹知事は7月22日朝、県の部長2人、県職員OB4人とゴルフをするため、1泊の予定で宮城県加美町へ出発。秘書課には行き先を伝えなかった。
 同日午後4時までのプレー中、知事の携帯電話には気象情報を含めたメールが多数配信されていた。知事は重要性に気付かず、プレー後は同行者と飲酒。河川が氾濫した県内の状況に気付いたのはインターネットで知った午後6時40分すぎだった。

<「取りやめ当然」>
 県の災害連絡室は同日午前9時すぎに設置。鎌田雅人危機管理監は「22日は、知事に災害連絡室の立ち上げなどの状況をメールで8回伝えた。返信はなかったが、読んだと思い込んだ」と話した。
 県の災害時の連絡態勢について、仙北市の門脇光浩市長は「情報伝達のシステムに問題があったのではないか。緊急事態には直接音声で伝えることが必要だ」と苦言を呈する。
 明治大危機管理研究センターの市川宏雄所長は「災害対応が始まった時点で予定をキャンセルするのが当然で、佐竹知事の状況判断は甘い。日頃から行き先を職員に伝える必要がある」と指摘する。


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2017年08月02日水曜日


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