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福島発 家庭ごみ原料のバイオガス生成装置を自作 地域再生の後押しに

手作りのガス灯に火をともす大沼さん

 東京電力福島第1原発事故で一部世帯が特定避難勧奨地域に指定された福島県伊達市霊山町小国地区で、家庭から出る生ごみなどを原料にバイオガス生産に取り組む男性がいる。元建設業の大沼豊さん(73)は「地産地消のエネルギーを広げることで、地域再生を後押しできるといい」と話す。
 自宅の敷地に200〜1000リットルのタンク8基が並ぶ。近所の酪農家からもらった牛ふんに、生ごみや発酵を促す種菌などを加えてメタンガスを作る。ガスはトマトなどのビニールハウスの暖房用にためておく。
 中山間地にある小国地区の一部は原発事故で、局地的に放射線量が高い特定避難勧奨地点になった。出荷規制で廃棄せざるを得ない農作物が増え、耕作放棄地が目立ち始めた。
 荒れていく古里の姿に心を痛めた大沼さん。再生可能エネルギーで地域おこしに挑戦しようと、研究者らの助言を受け市販の材料でバイオガス生成装置を造り上げた。
 2012年秋、出荷停止となった地元特産の「あんぽ柿」用のカキで実験を開始。現在は雑草や生ごみなど材料を変えながら、効率的な生成方法を模索する。
 街路灯を地域に設置してバイオガスで明かりをともそうと、地元の知人らに声を掛けている。
 「原発事故は、原発が便利なものだと思っていた自分たちの責任でもある。ガス作りという同じ目標を共に目指し、地域の絆を強めたい」と期待する。


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2017年08月02日水曜日


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