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<福島廃炉への道>溶融燃料取り出しに「気中工法」を軸とする方針案を提示

7月1日〜31日

【7月】
5日  東京電力福島第1原発1号機のタービン建屋で、滞留水の完全除去に向けた調査を実施。マンホール内で残水が見つかり、排水作業を行った。
10日  3号機原子炉格納容器の内部調査に向け、潜水ロボットの投入準備を始めた。投入ルートとなる格納容器貫通部の配管から温度計と水位計を取り外した。
12日  モニタリングポストの1台が「高警報」を発した。1号機建屋カバー解体作業や3号機カバーの設置工事を中断。その後、機器の故障と判明。
17日  1号機の使用済み核燃料プールの循環冷却運転を停止。気温が高い時期でも、熱交換器を通さないバイパス運転で自然冷却できるかどうか確認する。8月末まで継続予定。
19日  潜水ロボを使った3号機原子炉格納容器の内部調査を実施。21、22日も調査した。原子炉圧力容器を支える台座内で、溶融燃料(燃料デブリ)の可能性が高い複数の塊を初めて映像で捉えた。作業用足場などが崩れ落ち、底部に散乱する状況も確認された。
27日  今年1〜2月に行った2号機格納容器の内部調査で、最大で毎時約650シーベルトと推定した空間放射線量が実際は推定約80シーベルトだったと訂正。カメラの画像のノイズを基に線量を計測する際の設定を誤った。
    宇宙線「ミュー粒子」を使った3号機格納容器の内部調査結果を公表。圧力容器に溶融燃料の一部が残っている可能性はあるが、大半が格納容器に落下したとみられる状況が示された。
31日  3号機の使用済み燃料取り出し用カバー設置工事で、建屋にドーム屋根を据え付ける作業を開始。
    凍土遮水壁の完全凍結に向け、未凍結区間(7メートル)の凍結を促進する補助工法を始めた。地下水の流れを遅くするため、薬剤を地中に注入する。
    1〜3号機の溶融燃料取り出しを巡り、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が、格納容器を水で満たさず、側面から格納容器底部にアクセスする「気中工法」を軸とする方針案を提示した。

◎3号機内部撮影に成功

Q 東京電力福島第1原発3号機で7月、溶融燃料(燃料デブリ)の分布状況を把握するため、原子炉格納容器の内部調査が行われた。溶融燃料の可能性が高い複数の塊や堆積物の撮影に成功した。
A 格納容器底部で岩のように盛り上がった塊(写真(1))や、崩れ落ちた作業用足場が堆積物に埋まっている様子(写真(2))が確認された。圧力容器を支える台座の壁付近では作業用足場の骨組みに堆積物が載っている様子(写真(3))が撮影され、圧力容器の底につながる制御棒駆動装置付近でも、ろうそくが溶けて固まったような物体(写真(4))が見えた。
Q 砂や小石状の堆積物も撮影された。
A 圧力容器の底を突き抜けた核燃料は、炉内の構造物を溶かしながら冷え固まったとみられる。金属の含有量や冷やされ方によって硬さや形などの性状が違うと想定されている。
Q 今年1〜3月に1、2号機で行われたロボットによる内部調査では、溶融燃料の存在を直接、確かめられなかった。
A 今回調査した3号機は床面から約6.4メートルの冷却水がたまっており、スクリューで進む潜水型のロボットを使った。作業用足場などをクローラ(無限軌道)で移動した1、2号機の自走式ロボットと比べ、障害物を避けやすく、広範囲に動けた。滞留水が高い放射線を遮り、一定の調査時間も確保できた。


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2017年08月02日水曜日


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