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被災地へピアノ贈り続け500台 音楽通じ心の復興 節目の1台は東松島に

500台目のピアノを見詰める黒須所長(左)と阿部さん=7月18日、矢本東市民センター

 ピアニストや作曲家らでつくる「被災地へピアノをとどける会」(仙台市、庄司美知子実行委員長)が東日本大震災の被災地へ贈ったピアノが500台に達した。国内外から寄贈されたピアノを岩手、宮城、福島3県の学校や集会所、家庭などに届けてきた。関係者は「音楽を通じて心の復興につながればうれしい」と期待を込める。

 とどける会のスタッフで技術管理を担う阿部隆さん(62)らが7月18日、500台目のグランドピアノを東松島市小松の矢本東市民センターに届けた。丹念に調整、調律し、200人収容の多目的ホールに配置した。
 阿部さんは「無事に納められてよかった。被災地にピアノを贈りたい人がいる限り、心のこもったピアノを届けたい」と言う。
 とどける会は2011年6月に設立。被災地の子どもから「津波でピアノを流されたの。また弾きたい」との願いを聞き、支援に乗りだした。全国の音楽家らにピアノや資金の提供を呼び掛けてきた。
 寄贈されたピアノは仙台市宮城野区の倉庫で保管。贈り主、支援を望む側双方の意向を酌んで届け先を決める。
 500台目のピアノは元々、桐朋女子中・高(東京)の音楽室で生徒に長く親しまれてきた。老朽化に伴い、処分される可能性もあったという。
 桐朋学園芸術短大(東京)の松井康司教授(58)は「震災を風化させたくないと、とどける会にピアノを託した」と説明。「ピアノは学校での役目は終えたが、東松島でも大事な役割を果たすだろう」と確信する。
 津波で被災した矢本東市民センターは昨年11月、移転新築して開所した。趣味の教室や憩いの場として住民らに利用されているが、ピアノはなかった。
 黒須寿幸所長(71)は「ピアノの寄贈は本当にありがたい。大事に管理し、児童合唱団の練習や音楽サークルの活動、交流などに生かしたい」と思い描く。


2017年08月03日木曜日


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