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<みやぎ総文2017>「心あれば強くなれる」弁論で優秀賞

表彰式で穏やかな表情を浮かべる今野さん

 第41回全国高校総合文化祭(みやぎ総文2017)の弁論部門で、宮城県古川高3年の今野泰斉(やすなり)さん(18)が優秀賞に選ばれた。生まれつき両脚にまひがあり、入院や手術を繰り返しながらも大好きな野球を続けてきた。「心さえあれば人は強く生きていける」。思いを7分の弁論に込めた。

 弁論大会は2、3日に東松島市であり、69人が参加。今野さんは演題「最高の一球」を発表した。
 弁論の終盤、口調と身ぶりに力が入った。「脚が悪くて1アウト」「不幸と決め付けて2アウト」「だけどまだまだ、最高の一球はここにある」。右拳を左胸に当てて締めくくると、大きな拍手が送られた。
 大崎市出身。小学5年の時、スポーツ少年団で野球を始めた。打順は5番、ポジションはサード。対戦相手から思いがけない言葉が聞こえてきた。「なんだあれ」「なんだあの脚」
 リハビリに努め、手術しても健常者にはなれない。葛藤し、やり場のない怒りを障害のある友にぶつけたことも。「俺たち、生きていても意味がないだろう」
 そうした経験や思いを、中学2年の校内の弁論大会で伝えた。涙を流して耳を傾ける生徒がいた。自分のことを言葉で伝える。それが誰かの心に届く。心だけは等しく与えられていると感じた。
 古川高野球部では、グラウンドマネジャーとして仲間を支えた。7月の全国高校野球選手権宮城大会1回戦で黒川高に4−6で敗れ、最後の夏が終わった。
 みやぎ総文では目標の最優秀賞に届かなかった。「正直、悔しい。けれど、多くの方から『心に響いた』という声を頂いた。心に響かせるという原点を貫くことができ、よかった」
 大学進学を目指す。「障害者は決して不幸ではない。卑屈にならずに前を向いて生きられれば、よりよい社会になるのではないか」。自分の体と心に誇りを持って生きようと思う。


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2017年08月04日金曜日


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