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日本画家・故能島康明氏の幽霊画発見 お盆に合わせ公開

栗原市築館の画室で見つかった幽霊画
能島康明氏

 河北文化賞を受賞した日本画家の故能島康明氏が若かりし頃に手掛けた幽霊画が、創作の場としていた宮城県栗原市築館の画室で見つかった。河北美術展顧問を務める長男の日本画家、和明さん(73)=横浜市=によると、康明氏は風景や静物を題材にした作品が多く、幽霊を描くのは異例。築館地区の通大寺で13〜15日、一般公開される。
 作品は掛け軸に描かれた日本画で縦約120センチ、横約40センチ。青っぽい着物をまとった女性の幽霊が、憂いを帯びた表情で一点を見つめる。片隅に火の玉が揺らぎ、不気味な雰囲気を醸す。
 7月初旬、和明さんが画室の倉庫を整理中に発見した。康明氏が30代ごろに名乗った「光明」の署名があり、本人の作品に間違いないという。
 康明氏は築館地区に自宅と画室を構え、宮城の自然を創作の基盤とした画家。森や湖畔といった身近な風景美を取り込んだ作品を数多く残した。東北画壇の発展と後進の育成に尽力したとして、1997年度の河北文化賞を受賞した。
 和明さんは「なぜ、ああいった絵を描いたか想像できない」としながら「かつて幽霊を描く日本画家は少なくなかった。そのような流れの中で手掛けたのかもしれない。どなたかの絵を模写したか参考にしたのだと思う」と分析する。
 幽霊画は静かなお寺にあるのがふさわしいと、和明さんは親交のある通大寺に寄贈。寺はお盆に合わせて位牌(いはい)堂で午前9時〜午後5時に公開する。金田諦応(たいおう)住職は「情念を抱いてこの世とあの世を行き来する悲しい存在の絵を通じ、人間の悲哀や辛苦と向き合ってもらえれば」と話す。


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2017年08月06日日曜日


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