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<あなたに伝えたい>生まれ変わってまた親子に

将宏ちゃんとDVDを見に来た宮城県亘理町悠里館の前に立つあけみさん

◎「ママを助けたい」と言っていた優しい息子/鈴木あけみさん(宮城県柴田町)将宏ちゃんへ

 鈴木将宏(まさひろ)ちゃん=当時(6)= 宮城県山元町花釜の自宅で、母親のあけみさん(52)らと3人暮らしだった。通っていた町東保育所で東日本大震災に遭遇した。保育士らの誘導で園庭に待機中、津波が押し寄せ、巻き込まれた。3日後に遺体で見つかった。

 あけみさん 震災に遭ったのは息子が小学生になる直前でした。生きていれば中学生になります。どんなに頼りになる子に育っていただろうかと考えます。「早く大きくなって、ママを助けたい」と言っていたのを思い出します。
 私が一人で仕事や家事に追われ、苦労しているのを分かっていたようでした。米をといだ後に内釜の目盛りで水の量を測る時、くっついてきて一緒にのぞいてくれました。
 保育所に迎えに行くと、遠くからでも走ってきて、満面の笑みで抱き付いてきました。自分が必要とされていると思えました。この子を絶対に守る。それが生きがいでした。
 一通りの人生を送り、いろんな体験をさせてあげたかった。私ができなかったことを伸び伸びやってほしかった。そうさせてあげられなかったのが残念です。
 遺体の顔はつらそうでした。人生の最期に苦しくて怖い思いをさせてしまいました。息子の苦しみが続いていると思うと、何年たっても悲しみは消えません。
 どちらか選べるなら、息子は生き残り、自分が死んだ方がよかったです。一人残された親はとても前を向いて生きていけません。
 私自身が両親の愛情を感じられなかったところがあり、息子には日々、あえて口に出して「大好きだよ」と言っていました。
 まーちん、大好きだよ。ママの息子に生まれてきてくれて、ありがとう。生まれ変われるなら、また親子になろうね。(日曜日掲載)


2017年08月06日日曜日


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