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<スマイルケア食>栄養満点・誤嚥防止 秋田で新商品の開発加速

カップ型のレトルトおかゆなどスマイルケア食の新製品開発が進むあぐりこまちの工場

 高齢者や要介護者を対象にした新たな介護食品として国が普及に取り組む「スマイルケア食」で、秋田県産米などを加工した新商品の開発が同県内で進んでいる。誤嚥(ごえん)などを防ぐ機能成分を農産物から抽出し、付加価値を高めたのが特徴。介護食品市場への参入で6次産業化の推進を図り、東北6県中最下位の食料品出荷額の底上げを目指す。
 農業生産法人あぐりこまち(秋田市)は昨年、「あずきかゆ(しるこ風味)」で東北初のスマイルケア食の「青」マークを獲得した。自社で栽培したあきたこまちを使い、タンパク質を補うなどして栄養基準を満たした。
 価格は200グラム入りで259円(税込み)と一般的なレトルトがゆの2倍超。渡辺健社長は「少量で栄養が十分取れるように工夫した。味の良さ、素材の出どころが分かる安心感で全国一を目指したい」と話す。
 同社は既存商品のマーク取得と新製品開発で、スマイルケア食の品ぞろえを充実させる。食器に移し替える必要があるレトルトのパックではなく、そのまま食べられるカップ型容器入りの商品開発も進めている。
 県は研究開発に力を入れる。県総合食品研究センター(秋田市)は、能代市などで生産が盛んなネギに着目。誤嚥の原因となるたんの粘り気を抑える成分があることを発見した。特許を取得して県内企業の製品開発に生かすとともに、他の県産農産物からも有効な機能成分を探している。
 県内の食料品出荷額は約843億円(2014年工業統計)で、全国44位に低迷。食料品製造業は従業員20人未満の小規模事業者が全体の75%を占める。県は単価の高い新たな食料品加工分野への取り組みを促し、6次産業化と県内経済の活性化を狙う。
 県うまいもの販売課の担当者は「売れるものを作っても、後追いの大手メーカーに太刀打ちできなかった。秋田しか作れない製品で差別化したい」と話す。

[スマイルケア食]農林水産省が食品産業と農林水産業の活性化を目指して整備した介護食品の新たな枠組み。高カロリー、高タンパク、軟らかさなどの条件を満たしたものに青、黄、赤のマークの使用を許可する。青は健康維持上、栄養補給を必要とする人、黄はかむ機能が低下した人、赤は飲み込む機能に問題がある人を対象にする。


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2017年08月06日日曜日


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