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<山形大アカハラ自殺>第三者委報告 両親の相談共有されず

 山形大工学部(米沢市)の男子学生が指導教員の助教によるアカデミックハラスメント(アカハラ)を苦に自殺した問題で、学生の自殺前に両親からメールや工学部後援会、保護者会でそれぞれ相談を受けた教員3人が、いずれも相談内容を学部の担当者に伝えていなかったことが7日、大学が設置した第三者調査委員会の報告書で分かった。両親の再三の訴えが無視された形で、調査委は対応の不備を指摘している。
 報告書などによると、父親は2015年5月、学生が助教から人格を否定するような発言を浴びせられ、悩んでいることを大学側にメールで相談。対応した教員は、学生が研究室に入ってまだ1カ月程度だったため「様子を見ましょう」という趣旨の返答をした。
 両親は翌6月、工学部後援会総会の懇親会で「息子の帰宅時間が遅い。研究室の管理はどうなっているのか」と尋ねたが、話を聞いた教員は「大学はそんなもの」と応じた。
 10月の保護者会でも「息子をつぶそうとしているのではないか」と相談したが、対応した教員は、学生が毎日登校し、単位も順調に取得していたことから問題ないと判断したという。
 調査委は報告書で「どの教員も個人で判断と処理を行い、情報を共有した対応が試みられず、自殺を防ぐセーフティーネットが機能しなかった」と指摘した。
 報告書によると、学生は助教からの報復を恐れ、学内の相談窓口を利用しなかったとみられる。両親の訴えが届かなかったことで、大学側は学生の自殺前に助教によるアカハラを組織として把握する機会を失った可能性もある。
 両親は大学と助教に損害賠償を求める訴えを起こし、山形地裁で係争中。大学側は自殺とアカハラの因果関係を否定している。


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2017年08月08日火曜日


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