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<郡・新仙台市長>副市長人事 継続か、刷新か

稲葉 信義氏
藤本  章氏
伊藤 敬幹氏

 仙台市長に22日就任する元衆院議員郡和子氏の「右腕」となる副市長人事が焦点に浮上している。現職の奥山恵美子市長は稲葉信義(69)、藤本章(63)、伊藤敬幹(60)の副市長3人体制を敷いた。庁内の掌握と議会対応の要となるポストだけに、留任で市政運営を安定させるか刷新で独自色を打ち出すか、難しい判断を迫られそうだ。
 稲葉氏は市民局長、ガス事業管理者を経て2009年10月に副市長に就任。最年長で10月の任期満了が迫っていることに加え、続投意思が無いことをかねて周囲に漏らしており、郡氏の市長就任後に退任する可能性が大きい。
 稲葉氏が退く場合、市長選の「けじめ」を付ける意味合いも出てくる。市長選で奥山氏は、郡氏の対立候補を支持。3副市長ら市幹部も対立候補の街頭演説などに参加したため、筆頭格の稲葉氏が責任を取ることで「手打ち」になるとみられる。
 同じ市役所生え抜きの藤本氏は、総務企画局長を経て12年4月に副市長に就任した。職員人事や議会対策に精通し、16年4月に再任されたばかり。関係者の間では「残すなら藤本氏」との意見が多い。
 一方で市OBとのつながりが強いとされ、職員が身内の論理優先で固まる「市役所一家」の象徴と見る向きもある。郡氏は市立小中校の35人以下学級実現など従来方針を転換する施策も掲げるだけに、市議会内には「藤本氏は庁内の抵抗勢力にならないか」と懸念する声も出ている。
 伊藤氏は元日本政策投資銀行東北支店長で、政令市移行後初の民間出身副市長として10年4月に就任。来年3月の任期満了を前に交代させてカラーを出す手はあるが、郡氏周辺は「市政運営のスムーズな滑り出しに向けて(藤本氏と伊藤氏の)2人には残ってもらうのでは」と推し量る。
 郡氏が副市長交代に慎重になる背景には市議会との関係がある。特別職の副市長人事には市議会の同意が要るが、市議55人中、市長選で郡氏を支えたのはわずか19人で人事案が通るかどうかは不透明だ。任期序盤でつまずくと、その後の市政運営にも大きな影を落としかねない。
 取材に対し、稲葉、藤本両氏は「新市長が就任後に判断することだ」と述べるにとどめ、伊藤氏は「与えられた任期を全うするのが原則だ」と語った。
 郡氏は「東日本大震災の復興は終わったわけではなく(その継続のために)副市長は3人体制を維持するつもりだ」との考えを示した上で、「具体的な中身の検討はこれから。周囲に相談しながら決める」と話した。


2017年08月09日水曜日


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