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ナマコ種苗育成簡略化 期間短縮と「沖出し」で収益増目指す

海に沈められるナマコの種苗

 宮城県東部地方振興事務所と県中部地区栽培漁業推進協議会は本年度、簡易な方法でナマコ種苗を生産する研究に取り組んでいる。水槽での育成期間を従来より数カ月間短縮して作業を省力化。漁業者自ら取り組める技術を確立し、水揚げシーズンとなる冬場の収益増を目指す。
 県がナマコの種苗育成を展開するのは24年ぶり。1986〜93年度に手掛けた際は、稚ナマコが2センチ程度に成長するまで水槽で育成。排せつ物や餌による水質の悪化を防ぐため、流水での管理や定期的な水の交換などの手間を要した。
 費用が掛かる上、天然物との区別が困難で事業効果の把握が難しいため、県は種苗育成を断念した。
 長年にわたって冬場の収入源の確保を望む漁業者の声があり、ナマコ種苗の育成再開を決定。一大産地・北海道の技術に倣い、水槽での育成期間を45日程度に短縮した。
 約2ミリに育った時点で稚ナマコが付いた付着器を海に沈める「沖出し」をし、2センチほどの大きさになったら沖合に放流する。管理の手間が少なく、漁業者も取り組みやすい手法だ。
 4日、石巻市と女川町の4漁港で約2ミリの稚ナマコ計1万個体の沖出しを行った。約3年で水揚げ可能な100グラム以上に成長するという。協議会の木村千之会長(65)は「この方法ならわれわれ漁業者も種苗の育成が可能になる。技術を確立して収益増につなげたい」と期待を寄せる。


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2017年08月10日木曜日


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