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津波防御の県道かさ上げ 海側20戸守る築堤を県と町が提案 住民主張に配慮

かさ上げ県道の海側に位置する予定の山元町笠野地区。津波防御のための築堤建設が検討されている

 津波防御を目的にかさ上げ工事とルート変更が計画されている宮城県道相馬亘理線を巡り、県と山元町が、ルート変更によって海側に取り残される形となる同町笠野地区周辺の住民約20戸を守るための築堤を建設する対策案を住民側に示していたことが10日分かった。住民の主張を一定程度考慮した形で、建設計画が前進する可能性が出てきた。
 関係者によると、計画では築堤の高さは5メートル。笠野地区周辺の海側に、南北1.5キロにわたって建設される。住民が残った地域の陸側を走る県道のかさ上げ高は当初の5メートルから最も低い所で3メートル程度にまで引き下げられる。このほか、笠野地区から内陸側への新たな避難道路も整備される見通し。
 一方で、県道新ルートとなる予定地に住み、立ち退きを求められている数世帯の一部は用地買収に応じておらず、先行きには不透明さも残る。
 新ルートでは常磐線旧山下駅付近から南側は、現ルートから約500メートル内陸にある旧常磐線の路盤を利用する。このため、住宅の新築が制限される津波防災区域(災害危険区域)1種に住む笠野地区周辺の約20戸が新ルートより海側に位置する形となっていた。
 防潮堤と県道などによる多重防御は町の震災復興計画に盛り込まれ、2011年12月の町議会で計画が承認された。県道かさ上げは東日本大震災級の津波を想定しており、津波の内陸到達を遅らせるために計画された。計画に反発していた住民側は一部町議らとともに、県や町に計画変更を求めていた。


2017年08月11日金曜日


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