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<震災6年5カ月>遺骨189柱 帰れぬ盆 身元不明、引き取り手なし…保管長期化

身元不明などの遺骨6柱を保管する仙台市葛岡墓園管理事務所の遺骨安置室。月命日などに宗教関係者らが供養に訪れている

 東日本大震災から7度目のお盆を迎える岩手、宮城、福島の被災3県沿岸市町村のうち、身元不明などで親族の元に帰れず、自治体が預かる犠牲者の遺骨が岩手、宮城両県に189柱あることが、河北新報社の調べで分かった。震災から6年5カ月がたち、身元確認の困難さが増す一方、判明しながら引き取る人がいないケースもある。自治体は慰霊塔整備など安置の具体化を進めている。

 3県の沿岸37市町村に今月上旬に聞いた結果、岩手、宮城両県の計16市町が遺骨を管理している。県別の内訳は表の通り。2014年7月には3県で223柱あり、徐々に減ってはいるものの依然として多くの遺骨が残る。

<特定年々困難に>
 市町別で最多は岩手県大槌町の69柱。石巻市33柱、気仙沼市25柱と続く。大槌町は7月、新たに身元が分かった1柱を遺族に引き渡したが、町民課の担当者は「身元特定は年々、難しくなっている」と話す。
 保管が長期化する自治体は新たな安置場所を検討する。宮古市は現在、市内の2寺院に5柱を保管。市営墓地に慰霊塔を建てて納める方向で、市福祉課の担当者は「ご厚意で預かってもらっている。いつまでも、というわけにはいかない」と説明する。
 宮城県南三陸町も、町内の寺に保管する2柱を、町が整備予定の復興祈念公園の慰霊碑に安置することなどを検討する。
 身元が確認できても、引き取り手がいない遺骨を預かる自治体は対応に悩む。

<遺族の意向探る>
 多賀城市が市内の寺に保管する5柱は、全て身元が判明した。ただ、遠い親族しかおらず、生前のつながりが薄いなどの理由で引き受ける人がいない状態だ。
 市生活環境課の担当者は「他の親族を探すなど手を尽くしたが、時間がたつほど対応が取りにくくなる」と明かす。同市は、震災以外で亡くなり、引き受け手のない遺骨も管理しており、合同の供養塔の整備が今後の検討課題だという。
 仙台市は6柱を市葛岡墓園の管理事務所に仮安置している。うち4柱は身元が判明。さまざまな事情で引き取る遺族がいない。今後も遺族に定期的に連絡し、状況や意向に変化がないか確認していくという。
 福島県では浪江町が管理していた最後の1柱が、今年までに遺族に引き取られ、現在、自治体で保管する遺骨はない。


2017年08月13日日曜日


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