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<和牛の頂点へ>地域伝統の系統で挑む

代表牛対象の集合指導会で、育種組合の仲間と共に調教に臨む後上さん(手前左)

◎全共宮城大会へ向けて(3)みどりの和牛育種組合(大崎など)

 宮城県大崎市田尻の畜産農家後上(ごのうえ)孝行さん(65)は自宅に隣接した牛舎で、毎日1時間半を雌牛「かつみ号」の手入れに費やす。黒く、大きい体を水洗いし、手に持ったブラシで丁寧に毛足をそろえる。

<仲間4人で出場>
 かつみ号は、9月に仙台市で開かれる全国和牛能力共進会(全共)宮城大会の系統雌牛群の代表牛だ。後上さんは「本番までに少しでも黒く、美しくしたい。1週間に1度はシャンプーやリンスをするが、拭き取りが甘いと毛が赤くなる。茶色い毛はそぎ取らないといけない」と余念がない。
 全共には、みどりの和牛育種組合の3人の仲間と共に参加する。前組合長の後上さんはリーダー的な存在。本番では4頭の毛並みや体格などがそろっているかが審査対象になる。「チームプレーだからね。気は抜けない」と表情を引き締める。
 系統雌牛群は地域特有の系統で、始祖牛は1975年以前生まれなど出品条件が厳しい。かつみ号を含めた今回の代表牛4頭は54年生まれの種牛「第2横利(よことし)」の血を引いている。流行の系統ではないが、計画的な交配で大切に守られてきた。「諸先輩方が連綿と残してくれた集大成が代表牛。抱えているものは重い」と後上さん。

<地元開催に期待>
 育種組合が全共の系統雌牛群に挑戦するのは3度目。まだ最高位の獲得はない。20代半ばから畜産を手掛ける後上さん自身は、2007年の鳥取大会以来2度目の全共参加となる。「全国の人に宮城の牛を見てもらえるチャンス。経済効果はものすごい」と地元開催への期待は大きい。
 かつみ号は、後上さんの手入れが終わると、牛舎の一角でじっと直立不動の状態を保っている。美しい立ち姿も本番での審査のポイントの一つだ。
 体格を整えるため、えさはわらなどに限定。牛の好きな半乾燥の草などをお預けにし、20キロほどの減量に成功した。後上さんは「人だけでなく、牛も頑張っている。県代表の『チームみどりの』として恥ずかしくない結果を残したい。代表牛はいい特長を持っており、勝機はある」と自信をのぞかせる。(小牛田支局・矢嶋哲也)

◎牛政宗の豆知識/改良成果を競うよ

[種牛の部]体形や体全体のバランス、肉の付き方、毛並みなどの姿形を審査し、改良成果を競う。雌雄、月齢などで七つの出品区分に分けられる。個体出品と群出品があり、33道府県の計330頭が参加する予定。会場は仙台市宮城野区の夢メッセみやぎ。


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2017年08月15日火曜日


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