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<和牛の頂点へ>チーム連携で情報共有

あさこ号の運動に精を出す加藤さん(左)。地域の農家仲間が協力する

 全国の銘柄牛が一堂に集い、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎ、市中央卸売市場食肉市場で9月7〜11日に開催される第11回全国和牛能力共進会(全共)宮城大会が約1カ月後に迫った。最終選考を勝ち抜いた各出品区の県代表は悲願の「日本一」獲得を目指し、最終調整に余念がない。地元開催に懸ける農家やグループの思いを紹介する。

◎全共宮城大会へ向けて(4)仙南和牛改良推進組合(大河原)

 「はい、サシ」。宮城県角田市枝野の繁殖農家加藤幸一さん(67)が綱を振って指示すると、つやつやした黒毛のあさこ号がゆっくり左回りに歩く。

<全共見据え設立>
 父牛は全国的に評価が高い県の基幹種雄牛「茂洋(しげひろ)」の子「好平茂(よしひらしげ)」、母方の祖父牛は鹿児島県の「百合茂」と、血統に優れるあさこ号。9月の全国和牛能力共進会(全共)宮城大会に出場する1頭だ。加藤さんは「夢メッセみやぎの舞台に立てるなんて、夢のようだ」と笑顔を見せた。
 加藤さんが組合長を務める仙南和牛改良推進組合(大河原町)の4農家の牛が、6月の県総合畜産共進会で県代表に選ばれた。大方の予想を覆す「チーム仙南」の躍進だ。
 仙南の繁殖雌牛は2016年度で2752頭。登米(6150頭)、栗原(3972頭)などに比べ、仙南は和牛の層が薄い地域とされてきた。
 角田市、白石市、丸森町、「蔵王しばた」の四つの和牛改良組合が14年6月、全共を見据えて推進組合を設立したのがチーム仙南の始まりだ。
 親が繁殖農家だった加藤さんも、本格営農は2008年に角田市職員を退職してから。加藤さんら4農家は今年1月まで、牛を前進させる綱の振り方も知らなかったという。

<「地元で頂点を」>
 組合に対策チームを設け、調教や飼養技術の情報を積極的に交換した。組合設立直後の14年9月、県総合畜産共進会(県共進会)で、丸森の牛が経産牛の部で最優秀賞1席を獲得し、幸先よいスタートを切った。
 「連帯が生まれた」と加藤さん。「偶然、祖父牛の血統が同じで体形などがそろった。みんなで全共に行けることがうれしい」と総合力をアピールする。
 今の課題は牛が肥満気味なこと。シェイプアップと足腰を鍛える「追い運動」をほぼ毎朝行っている。地域の農家らが交代で運動のサポートやブラッシングを手伝う。
 チーム仙南からチーム宮城へ。2連覇中の宮崎県を破っての日本一が目標だ。加藤さんは「重圧だが、地元で頂点を勝ち取りたい」と意欲的に語る。
(角田支局・会田正宣)

◎牛政宗の豆知識/第7回以来2回目

[屋内開催] 種牛の部の会場は仙台市宮城野区の夢メッセみやぎ。屋外施設や仮設の大型テントではなく、既存の建物内での開催は第7回(1997年)の岩手大会以来、2回目となる。大消費地・仙台市での開催を通じて和牛への理解促進、消費拡大を狙う。


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2017年08月16日水曜日


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